MISC

2017年3月

【強迫症の理解と治療の新たな展開I】 強迫症研究のこれから translational researchの可能性について

精神科治療学
  • 酒井 雄希
  • ,
  • 田中 謙二

32
3
開始ページ
399
終了ページ
404
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(株)星和書店

強迫症(obsessive-compulsive disorder:OCD)は、前頭葉-線条体回路の異常に代表される明確な生物学的基盤を持つ精神疾患と考えられている。我々は、近年注目されている安静時fMRIを用いることで、OCD患者におけるマクロレベルでの神経回路異常を明らかにしてきた。このような異常を詳細に検討し、さらに、操作を加えることによる神経活動の変化や症状との因果関係を同定するためにはモデル動物が必要不可欠である。これまでに様々な遺伝子改変モデル動物が報告されているが、OCD患者との類似性に関しては定性的評価にとどまっており、その妥当性や有用性は依然として不明瞭である。本稿では、ヒト・モデル動物の双方の観点からOCDのメカニズム解明に向けた課題に関して検討し、今後のtranslational researchの可能性に関して論じる。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0912-1862
  • 医中誌Web ID : 2017170933

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