共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2022年3月

ヘッドマウントディスプレイを用いた視知覚矯正・補助フレームワークの構築

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

課題番号
18H04116
担当区分
研究分担者
配分額
(総額)
44,070,000円
(直接経費)
33,900,000円
(間接経費)
10,170,000円

網羅的・統一的に視覚拡張(AV: augmented vision)の方法論を確立するために,視知覚のプロセスをデジタル画像処理における射影変換や時空間画像フィルタのアナロジーで捉え,その逆問題を解く計算論的アプローチにより,汎用的な枠組みで典型的な非定型視知覚の体験者に定型と等価な視知覚を生じさせること(視覚矯正・補助)を目指しています.本研究で得られる高精度視線推定,実時間収差補正フィルタ,画素単位で調光可能な小型HMDなどの技術は,任意の視知覚を自在に生み出す汎用的AVの基盤となります.また,手軽で正確な検査法の実現,発生メカニズムの解明,将来の新たな自助手段の提供などにつながり,医学的・社会福祉的な意義も大きいと考えています.平成30年度は,主に以下の2つの研究に取り組みました.
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1)眼位矯正HMDの開発と評価に関して,昨年度はヘスチャートプロジェクタによる眼位検査をHMDを用いたVR空間にて実施可能なシステムを構築しました.予備実験からは,HMDを用いたシステムでも医療機器を用いたものと同等の精度で検査ができる可能性が示唆されました.また,眼位を調整可能なビデオ透過型(VST)HMDを開発しました.本システムを用いて,眼位を自在に調整し,斜視・斜位のある人が両眼視を復元できることを確認しました.
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また,2)視覚過敏補助HMD(スマートサングラス)の開発と評価に関して,不快な視覚体験を生じないような入力ビデオ映像を機械学習で自動的に分類する手法について検討しました.また,将来のスマートサングラスの実現に向けて,曲面ミラーを組み合わせた,画素単位で減光可能な光学透過型(OST)HMDの基本設計を行いました.

ID情報
  • 課題番号 : 18H04116

この研究課題の成果一覧

論文

  8

講演・口頭発表等

  23