2017年
03心−09−口−07 集団球技における選手全員の動きのデータから推定される得点確率—異なる非線形ダイナミクスの比較と教師あり学習による分類
日本体育学会大会予稿集
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- 開催年月日
- 2017年 - 2017年
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 主催者
- 一般社団法人 日本体育学会
集団球技の優れたチームワークは他者と競合・協働する中で生まれるが、これは個体間の相互作用が時間変化する非線形ダイナミクスとも捉えられるため、最先端技術を用いても、現象の識別はもちろん、現場で利活用するのは難しい。近年、動的モード分解という手法が、明示的な事前知識を必要とせずに、非線形力学系の大域的な特徴を得る方法として流体力学や機械学習の分野で注目されている。我々はこれを発展させたカーネル動的モード分解を用いて、異なる攻撃における集団行動を比較し、得点確率を推定する手法を開発した。本手法では選手全員の動きを反映した複数の攻撃-守備者間距離の潜在的な動的特性を、カーネル動的モード分解で抽出し特徴ベクトルを作成した。そしてこの特徴ベクトルと、攻撃結果を教師データとして訓練した分類器を用いて、攻撃結果が未知の特徴ベクトルに対しても得点確率を予測した。以前に我々が用いた複数の攻撃-守備者間距離の最大値では54%であった正答率が、本手法では64%まで向上した。シュート自体の確率も含まれるため正答率は高くはないが、今後シュートが入るように戦術を考えるコーチの助けになることが期待される。