共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年8月 - 2021年3月

法的親子関係の成否と子の利益

日本学術振興会  科学研究費助成事業 研究活動スタート支援
  • 山下 祐貴子

課題番号
19K23157
配分額
(総額)
1,950,000円
(直接経費)
1,500,000円
(間接経費)
450,000円

本研究は、法的な親子関係の創設・否認の場面で、子の利益をどのように捉え、いかにして確保すべきかについて検討するものである。これを検討するにあたり、本研究は、我が国と同様に生物学上・血縁上の親子関係を基礎として法的親子関係の確定を企図するドイツ親子法を比較対象としている。
2019年度は、法的父子関係の否認に焦点を当て、ドイツにおいて2004年に導入された生物学上の父の否認権について、これがどのような特徴や意義を備えたものであり、導入後どのように運用されているのか、最新の裁判例や学説を調査し、これを子の利益の視座から再分析した。また、連邦司法・消費者保護省の設置したワーキンググループにより、2017年に公表された改正提案の内容や、提案に至るまでの議論、及びその後の議論を、子の利益の視座から考察した。
以上の研究を通して、生物学上の父による否認を阻む法的な父と子との間の「社会的家族的関係」について、家族ないし親子の実態を正面から受け止めた柔軟な解釈がなされていることを明らかにした。もっとも、家族の定型にとらわれない柔軟な解釈をする場合、法的な父のみならず、生物学上の父と子との間にも社会的家族的関係が存在する場合がありうる。そこで、生物学上の父と子との間の社会的家族的関係にも法的な意味を認めるべきではないかが問われ、改正提案ではこの点についても考慮されていること、さらに、子からの否認についても、社会的家族的関係に大きな意味を持たせ、血縁関係の存在以上に社会的家族的関係の存在を重視して、血縁主義を制限しようとする提案が行われていることを明らかにした。なお、以上の研究成果については、比較法学会第82回総会における個別報告や、比較法研究の執筆を通して公表している(「ドイツ親子法における父子関係の成否と社会的家族的関係」比較法研究81号(2019年)225-228頁)。

ID情報
  • 課題番号 : 19K23157