共同研究・競争的資金等の研究課題

2002年 - 2005年

GaN系半導体ヘテロ構造における表面界面の原子レベル評価と物性制御

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(S)  基盤研究(S)
  • 櫻井 利夫
  • ,
  • 藤川 安仁
  • ,
  • サドウスキー J・T
  • ,
  • 高村 由起子
  • ,
  • 長尾 忠昭
  • ,
  • 呉 克揮

課題番号
14102010
体系的課題番号
JP14102010
配分額
(総額)
122,720,000円
(直接経費)
94,400,000円
(間接経費)
28,320,000円

本研究では、GaN系ヘテロエピタキシーを原子レベルで解析して理解を深め、新たなデバイス材料創製に向けた基礎的知見・指導原理を得る事を目的とした。
1.UHVMBE-SPMの構築
III族窒化物のMBE成長表面構造の原子レベル評価・制御を完全に行うため、既有装置の問題点であったAsを排除し、絶縁性膜観察をも視野に入れた新たなUHVMBE-STM/AFM装置を構築した。
2.Si(111)上へのGaN成長とその極性の成長条件依存性
Si(111)上へのGaN直接成長でのGa/Nフラックス比の役割解明を試みた結果、成長初期にN-rich条件で核生成を行った後、二次元成長が可能なGa-rich条件に切り替える事でN極性膜が成長可能な事を見出した。
3.金属-GaNコンタクトの作製
GaN(0001)上に金属を蒸着して現れる金属-Ga合金相の構造をSTMで調べた結果、Auではc(2x12)構造が出現し、Agでは平坦な超薄膜が観察された。Ag超薄膜は室温で不安定な事から、良質なオーミックコンタクト形成の可能性は小さい事が示唆された。
4.GaNのハロゲンエッチング
ClをGaN(0001)に供給し、加熱前後の表面をSTM観察してエッチング素過程を調べた結果、Ga終端面ではbilayer-by-bilayerで進行し、加熱温度が低い場合にはステップ端、高い場合にはテラスのエッチングが観察され、それぞれ原子構造に由来する素過程が提案された。
5.ZrB_2薄膜を介したGaNのSi(111)上への成長
近年ZrB_2がSi(111)上にGaN薄膜を成長する際のバッファ層として注目されつつあり、このZrB_2薄膜の構造及びその上のGaN薄膜成長過程をSTM、AFM観察によって調べた。その結果、広い条件下でN極性膜が成長可能な事が判明し、それが界面でのZr-N原子間結合安定性に由来する事を示した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-14102010
ID情報
  • 課題番号 : 14102010
  • 体系的課題番号 : JP14102010