天童温泉源泉櫓 総合デザイン 山形県天童市
本計画は天童温泉協同組合10号源泉掘削事業（開湯110周年記念事業）において、新源泉の在り方（企画・構想）から設計監理までを行い、天童温泉の新しい源泉（10号源泉）をランドマークとしてデザインした。この源泉櫓は、水田に櫓が立つ天童の原風景を、温泉街ならではの情緒を醸成する場として、現代的な表情で再現したものである。具体的には、源泉の保守管理に必要な櫓、温泉の歴史の解説板、地元の成形合板技術によるベンチ、地場の凝灰岩や杉材、これらを組み合わせることによって街の歴史を伝え、温泉街に点在する観光資源を繋げる散策の拠点として計画した。併せて櫓の周囲に水田を配置し、ここでの田植えや稲刈り等の神事を設け、地域文化を継承する仕組みを創った。
また本計画は、2004年天童「屋外共有空間づくりによる温泉街の再生」プロジェクト（文部科学省 生涯学習まちづくりモデル支援事業）の活動成果と提言に基づいた、新たな地域計画の展開として位置づけられている。 文：結城光正
http://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/286794/www.mext.go.jp/a_menu/shougai/chiiki/06011819/003.htm