論文

2010年2月

胎児ヘモグロビン変換率測定による未熟児網膜症発症リスク評価法の開発

医科学応用研究財団研究報告
  • 森實 祐基

27
開始ページ
151
終了ページ
154
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(公財)鈴木謙三記念医科学応用研究財団

未熟児網膜症は、低体重出生児への全身管理の際に酸素投与が過剰であった場合に、網膜への酸素供給が必要以上に多くなり、酸素投与を中止したときの変化によって網膜の相対的低酸素状態が惹起され、病的な血管新生によって起こる網膜剥離が原因とされている。本症を起こしやすいリスクファクターは二つに大別され、一つは血管組織側(網膜微小血管)の反応性が高いこと、もう一つは酸素投与時と中止時の末梢酸素供給量の変化が大きいことであると考えられる。本研究では、このうち後者について取り上げ、酸素供給量の変化を規定する赤血球に着目し、ヘモグロビンの酸素親和度と血管の拡張に寄与する一酸化窒素との結合能の生後変化の評価法を確立することを試みた。さらに、酸素運搬体としての赤血球の性質と未熟児網膜症との関係を明らかにするための計測系確立とその応用について展望した。

ID情報
  • ISSN : 0914-5117
  • eISSN : 2185-2561
  • 医中誌Web ID : 2010331195

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