基本情報

所属
文部科学省 研究振興局 参事官(情報担当)付
学位
理学博士(2021年3月 同志社大学)
農学士(2016年3月 京都工芸繊維大学)

J-GLOBAL ID
201901009370980171
researchmap会員ID
B000363759

<2020年頃まで>

「自我とは何か?」「心とは何か?」の解明を目指し、ラットを用いた行動神経科学をメインとして研究していました。研究戦略としては、記憶(背側海馬)・不安/恐怖(腹側海馬)・精神疾患(ストレス/うつ病:内側前頭前野)・社会性/情動的共感/同調行動(前部帯状回)・認知柔軟性(習慣化:背側線条体・眼窩前頭前野)などの機能における左右半球機能差や半球間相互作用の実態解明を、電気生理学・光遺伝学・脳内薬理投与・脳内微小刺激・行動試験などの手法から進めることで、2つの脳半球が協調して奏でる心の実態にせまりたいと考えていました。これらをある程度完了させたのち次の段階として、動物脳の長距離領野間相互作用や連合野(言語野相同部位など)の活動を人為的に制御することで、「認知的共感(誤信念課題)」「ミラーテスト」「感覚統合」「刺激対称性」などヒトの心の理論や自他分離をテストする課題にパスできる、ヒトの心を持つようなラットの導出に挑戦し、ヒトの精神疾患や発達障害(特に自閉症)の理解と支援に強く貢献したいと考え、研究していました。

<2021年~>

2021年以降は上記の内容と並行して、動物行動学、発達心理学、理論言語学、認知科学、コミュニケーション学における知見を融合し、比較認知科学的見地から、ヒトに固有な行動や認知をピックアップ、さらにこれらの共通項を抽出して『ヒトらしさ』や『人間性』と呼ばれるものの一般化を進めています。人文社会系領域内でこれまで蓄積されてきた人間性に関わる現象や概念には重要なものが多い一方、しかしながらこれらの知見を一つに統合することが困難な現状があるため、この統合に注力することで、理系領域では理論構築が難しかった自我や心への本質的なアプローチができるようになると考えています。

<現在>

2023年4月からはアカデミアを離れ、行政職として勤務しています。ただし、在野研究者として上記の研究や学会発表などは継続し、政策立案から研究までを繋げたより広い視点で活動したいと考えています。

また、助教時代に設立した以下の2つの研究会については活動を継続し、ヒト固有な認知やコミュニケーションの理解と、若手研究者の支援(業績面・経済面)に注力していく予定です。

〇共調的社会脳研究会(年に1度の研究会開催時に若手奨励賞を授与。2023年11月、若手研究者11名による書籍を出版予定。)

https://sites.google.com/view/csbg/

〇「人間とは何か?」ガチ研究会(セミナーシリーズを開催予定。書籍1000冊分の「人間らしさ」に関するヒントを登録中。)

https://sites.google.com/view/ningen-toha-nanika/

 

お問い合わせ:nostalgia.ykts@gmail.com


論文

  7

MISC

  12

書籍等出版物

  9

講演・口頭発表等

  57

担当経験のある科目(授業)

  2

共同研究・競争的資金等の研究課題

  12

学術貢献活動

  13

社会貢献活動

  9