2020年4月 - 2023年3月
超高感度で特異的なデング熱診断システムの開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
我が国でも今後増加すると思われる熱帯性感染症などの早期診断を確実に行うためには、検体から極微量の病原体成分を短時間で特異的に検出する超高感度検出法を開発する必要がある。これまでは病原体の核酸増幅法が最高感度として推奨されてきたが、今回の目的にはさらなる高感度化が必要となる。我々は、サンドイッチELISA法とチオNADサイクリング法とを組み合わせた「極微量タンパク質測定法」の原理を発明した。本研究ではこの原理に基づいた測定法を最適化することで、タンパク質を10の-20乗 moles/assayの超高感度で測定する世界初のシステムの構築を目指している。その適用例としてデング熱(デングウイルス)の早期診断システムの構築を試みている。一般的にあるタンパク質が血中に存在する時、尿や唾液にもその1/1,000程度の低濃度で存在する可能性が示唆されている。本研究ではデング熱患者の血液のみならず、非侵襲的に採取できる尿や唾液でも測定可能な超高感度診断システムを開発する予定である。
令和3年度は、台湾・高雄医学大学から譲渡されるデング熱患者の血液・尿・唾液などの検体を用いて、我々の測定システムで検体内のNS1タンパク質が十分に測定可能かどうかを検証した。これまでの経験を踏まえて添加回収試験も並行して行った。つまり、血液・尿・唾液が、我々の測定システムにどれだけの阻害をもたらすかを調べ、その阻害効果を検体の希釈によって回避できるかどうか判断した。
ただし、コロナ禍の影響で、台湾との往来が制限され、共同研究者間での詳細な打ち合わせが難しかった。令和4年度ではその障壁も改善されるであろう。
令和3年度は、台湾・高雄医学大学から譲渡されるデング熱患者の血液・尿・唾液などの検体を用いて、我々の測定システムで検体内のNS1タンパク質が十分に測定可能かどうかを検証した。これまでの経験を踏まえて添加回収試験も並行して行った。つまり、血液・尿・唾液が、我々の測定システムにどれだけの阻害をもたらすかを調べ、その阻害効果を検体の希釈によって回避できるかどうか判断した。
ただし、コロナ禍の影響で、台湾との往来が制限され、共同研究者間での詳細な打ち合わせが難しかった。令和4年度ではその障壁も改善されるであろう。
- ID情報
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- 課題番号 : 20H04556
- 体系的課題番号 : JP20H04556