2021年4月
地域の中核病院から大学病院へ搬送し病理解剖を実施した筋萎縮性側索硬化症の1例
四国医学雑誌
- 巻
- 77
- 号
- 1-2
- 開始ページ
- 91
- 終了ページ
- 94
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 徳島医学会
病理解剖は神経難病の診断確定、病態解明のためにも重要である。一方、神経難病の進行期診療は地域医療で担われることも多く、病理解剖まで完遂することはできない。今回、山間部の中核病院に入院中に死亡し、大学病院への搬送により病理解剖を実施した筋萎縮性側索硬化症の1例を経験した。症例は82歳、男性。2019年12月に嚥下障害を主訴に受診した徳島大学病院で筋萎縮性側索硬化症と診断された。病状が進行し2020年5月には自力での移動ができなくなった。2020年6月に誤嚥性肺炎のため同院に入院し、1週間後に上那賀病院に転院した。入院第6病日に患者と家族に、病理解剖について紹介した。当時は回答を保留したが拒否的態度ではなかったため、死後に徳島大学病院に搬送できるよう事前調整をした。第60病日に右被殻出血を発症し、第65病日に死亡した。家族が剖検に同意したため、徳島大学病院に搬送し、病理解剖を実施した。(著者抄録)
- ID情報
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- ISSN : 0037-3699
- 医中誌Web ID : V614410013