MISC

2010年2月

"沖縄戦"へ動員を余儀なくされた元女子学徒隊の精神保健の現状

沖縄県看護研究学会集録
  • 喜納 春香
  • ,
  • 當山 冨士子
  • ,
  • 田場 真由美
  • ,
  • 宇良 俊二
  • ,
  • 高原 美鈴

25回
開始ページ
55
終了ページ
58
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(公社)沖縄県看護協会

沖縄戦とは、太平洋戦争の末期に南西諸島とくに沖縄本島およびその周辺の島々で展開された日米最後の戦闘で、日本国土内でたたかわれた唯一の地上戦である。このような戦渦の中に、沖縄県下の師範学校女子部および高等女学校生が看護学徒隊として動員させられた。現在、沖縄戦から60余年が経過しているが、元女子学徒隊の人たちには精神保健学的に何らかの影響が残っているのではないかと考えられる。そこで今回、某高等女学校同窓会々長から紹介された元女子学徒隊員4名に半構造化面接を行い、戦時中の概況と現在の様子についてインタビューするとともに、精神健康調査票(GHQ28)とPTSD臨床診断面接尺度(CAPS)による調査を行い、以下の結果を得た。1)人生で最も辛かった出来事として全員が「沖縄戦」を挙げた。2)戦時中または戦後1年以内に全員が身内や級友を失っていた。3)なかには目前で家族や級友を亡くした人もおり、現在でも自身が生きていることに罪悪感を抱いていた。4)GHQ28の得点は3名が高値を示し、うち1名は戦争体験が影響していると推察された。5)CAPSでは、現在において2名、過去に1名にPTSDが疑われ、残り1名にPTSD様の症状がみられた。

リンク情報
URL
https://search.jamas.or.jp/index.php?module=Default&action=Link&pub_year=2010&ichushi_jid=J05614&link_issn=&doc_id=20100729470014&doc_link_id=40017333583&url=http%3A%2F%2Fci.nii.ac.jp%2Fnaid%2F40017333583&type=CiNii&icon=https%3A%2F%2Fjk04.jamas.or.jp%2Ficon%2F00003_1.gif
ID情報
  • ISSN : 1882-4986
  • 医中誌Web ID : 2010288843

エクスポート
BibTeX RIS