国内の看護領域における認知行動療法(CBT)の実践・研究の動向を概括するために、文献レビューを行った。和文献の検索に、医中誌WebおよびCiNiiを用い、検索条件は表題か抄録に「看護」かつ「行動療法」「認知療法」「認知行動療法」のいずれかを含む雑誌論文とした。英文献の検索にはMEDLINE、CINAHL、PsychoINFOを用い、検索条件は表題か本文に「nurs*」を含み、かつ「behavio* therapy」or「cognitive therapy」or「cognitive behavio* therapy」と「Japan」を含むものとした。整理した結果、合計72文献が分析対象となり、そのうち事例研究が54件、効果研究が18件であった。レビューの結果、認知行動療法は、精神疾患を中心にさまざまな看護領域で活用され、その多くが入院環境下で実施されていることが明らかになった。効果研究では、看護職による認知行動療法が効果的との報告が多く見られた。実施中のスーパービジョンなど質の担保方法についての報告が少なかった。