論文

査読有り
2008年3月

看護師による『こころの健康相談』実践モデルの検討

兵庫県立大学看護学部・地域ケア開発研究所紀要
  • 近澤 範子
  • ,
  • 玉木 敦子
  • ,
  • 川田 美和
  • ,
  • 立垣 祐子
  • ,
  • 原田 奈津子
  • ,
  • 江口(青山) のぞみ
  • ,
  • 蒲池 あずさ

15
開始ページ
119
終了ページ
133
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
兵庫県立大学看護学部・地域ケア開発研究所

本研究の代表者らは、《まちの保健室》事業の趣旨に基づき看護系大学で展開される「専門相談」の一環として、精神看護学担当教員による『こころの健康相談』を立ち上げ、平成15年度より実践している。これまでの活動実績と、来談者のニーズおよび相談の成果に関する調査結果から、当活動は地域の関連専門機関との補完的な役割を担い得るという実践的意義が示唆された。そこで、今回は、当活動独自のアプローチと役割の探求を目的として、相談記録の質的帰納的分析ならびに地域の関連機関の専門職への面接調査を実施した。平成17・18年度の全相談件数65件に関する相談記録を分析した結果、<悩みを受け止める>、<本人の力を認める>、<ストレス状況を見直す>、<対処力を高める>、<心理教育的な助言>、<病気や治療に関する専門知識の提供>、<精神状態の査定>、<社会資源の情報提供>などのアプローチの要素が抽出され、来談者のニーズに応じて組み合わされていることが明らかになった。また、地域の関連機関に所属する専門職のうち研究協力に同意の得られた10名(医師5名、精神保健福祉士2名、臨床心理士2名、保健師1名)に対する面接調査の結果、<利用しやすい>、<安心して相談できる>、<独自の役割がある>といった当活動への認識、<専門機関にできない部分のカバー>、<大学ならではの地域貢献>、<看護師としての専門性>などの役割期待が語られるとともに、活動頻度を増やすことや連携体制についての提案が得られた。以上の結果および考察を踏まえて、大学を拠点とした看護師による『こころの健康相談』の実践活動について、概念モデルの試案を作成した。今後は妥当性の検討および精錬を重ね、活動の普及と人材育成に貢献し得る実践モデルを開発することが課題である。(著者抄録)

リンク情報
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/110006999264
CiNii Books
http://ci.nii.ac.jp/ncid/AA12197280
ID情報
  • ISSN : 1881-6592
  • 医中誌Web ID : 2008153191
  • CiNii Articles ID : 110006999264
  • CiNii Books ID : AA12197280
  • identifiers.cinii_nr_id : 1000080382266

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