共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2023年3月

律速段階の解明に基づいたウイルスを凌駕する革新的医薬分子送達システムの創製

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

課題番号
19H01170
体系的課題番号
JP19H01170
配分額
(総額)
45,890,000円
(直接経費)
35,300,000円
(間接経費)
10,590,000円

1 siRNA送達(佐藤):siRNAは細胞質中でリン酸化酵素Clp1により5’末端のリン酸化修飾を受け、RISCを形成し、標的mRNAのサイレンシングを引き起こす。我々の予備検討結果から、siRNAの多くが上述の一般的な経路をたどっていない可能性が強く示唆された。そこでブラックボックスとなっているsiRNAの細胞内運命を①5’リン酸化・RISC形成速度、②細胞質内・核内局在、の観点から解明する。
2 pDNA送達(原島):転写(TC)/翻訳(TL)過程に大きな差が認められたナノDDSにおいて、TCとTLのどちらの寄与が大きいかを、mRNAを定量することにより識別する。 ①TLの寄与が大きい場合、ナノDDSのエンドソーム脱出時にエンドソーム内物質が漏出したり、あるいはpDNA導入に伴う各種細胞内センサーの刺激によって、導入細胞におけるTL活性が低下する、という仮説を検証する。
3 がん免疫ナノ療法(中村):患者個人の腫瘍関連微小環境の免疫状態を把握することは治療戦略の決定に不可欠である。そこで、免疫状態が異なる担がんマウスモデルから腫瘍組織、所属リンパ節、脾臓を採取し、遺伝子発現解析を行うことで腫瘍関連微小環境の免疫状態情報を得る。文献情報からヒトで確認されている腫瘍関連微小環境の免疫状態をカテゴリー化し、それらを反映する担がんマウスモデルを5種類以上選定する。 4 Mt送達(山田):核酸・遺伝子をコアとするナノ粒子を形成し、細胞膜とMt膜 を突破するために、脂質膜コーティングを施す。脂質膜表面には細胞導入素子およびミトコンドリア移行性アプタマー(負電荷)を修飾したDual ligand MITO-Porterを基盤骨格とする。また、細胞内での流動性の向上を目指し、ポリエチレングリコール(PEG)などの親水性ポリマーの修飾や、微小な粒子径も検討する。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19H01170
ID情報
  • 課題番号 : 19H01170
  • 体系的課題番号 : JP19H01170