2017年4月 - 2020年3月
有孔虫における殻形成機構の解明―石灰化のブラックボックスを開く―
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
- 課題番号
- 17H02978
- 体系的課題番号
- JP17H02978
- 担当区分
- 研究代表者
- 配分額
-
- (総額)
- 17,810,000円
- (直接経費)
- 13,700,000円
- (間接経費)
- 4,110,000円
- 資金種別
- 競争的資金
本研究の主目的である単細胞真核生物・有孔虫の石灰化の分子機構の解明は、世界でも初めての試みである。単細胞真核生物の多くは培養が困難であり、また遺伝子の発現量も少ないといった点で、本研究における培養系の確立や、殻形成/非形成時の比較による網羅的発現遺伝子の解析方法は画期的な内容である。2018年度は、2つの炭酸塩殻質(陶器質とガラス質)の系統の培養を確立し、以下4つの項目について研究を進めた。
1. ガラス質の有孔虫種における網羅的発現遺伝子の解析:初年度で得たシーケンス情報を元に、殻形成時のみに発現、もしくは高発現する遺伝子群の同定を行った。統計的に有意に発現する遺伝子群について代謝経路の検索を行い、殻形成時における細胞観察の結果を踏まえながら、細胞内外の物質輸送等を含めた石灰化代謝に関する経路を推定した。本内容について、世界各国の研究者が参集する国際有孔虫学会にて発表し、新規の成果に大きな反響を得た。
2. ゲノム解析:有孔虫は有効なゲノム情報がないため、1で予測された石灰化関連の遺伝子群について、それらのゲノム上での位置やエクソン予測ができない。そこで、同種の培養個体からゲノムDNAを抽出し、HiSeq(外部受託)でシーケンスし、ゲノム解析を始めた。しかしバクテリアのゲノムも含まれるため、個体試料の培養条件や処理方法を変え、複数のデータを取得し、有孔虫由来のコンティグのみを引き出すこととした。本解析ではデータ量が非常に大きいため、文部科学省科学研究費・新学術領域研究「先進ゲノム支援」に応募し、情報解析の支援を受け、共同研究をスタートした。
3. 1の結果から得られた遺伝子群のうち、発現量が顕著なものを可視化するため、in-situ ハイブリダイゼーション法の実験条件の検索を始めた。
4. 陶器質の有孔虫について培養を進め、1個体からのRNA抽出に関する条件検索を行った。
1. ガラス質の有孔虫種における網羅的発現遺伝子の解析:初年度で得たシーケンス情報を元に、殻形成時のみに発現、もしくは高発現する遺伝子群の同定を行った。統計的に有意に発現する遺伝子群について代謝経路の検索を行い、殻形成時における細胞観察の結果を踏まえながら、細胞内外の物質輸送等を含めた石灰化代謝に関する経路を推定した。本内容について、世界各国の研究者が参集する国際有孔虫学会にて発表し、新規の成果に大きな反響を得た。
2. ゲノム解析:有孔虫は有効なゲノム情報がないため、1で予測された石灰化関連の遺伝子群について、それらのゲノム上での位置やエクソン予測ができない。そこで、同種の培養個体からゲノムDNAを抽出し、HiSeq(外部受託)でシーケンスし、ゲノム解析を始めた。しかしバクテリアのゲノムも含まれるため、個体試料の培養条件や処理方法を変え、複数のデータを取得し、有孔虫由来のコンティグのみを引き出すこととした。本解析ではデータ量が非常に大きいため、文部科学省科学研究費・新学術領域研究「先進ゲノム支援」に応募し、情報解析の支援を受け、共同研究をスタートした。
3. 1の結果から得られた遺伝子群のうち、発現量が顕著なものを可視化するため、in-situ ハイブリダイゼーション法の実験条件の検索を始めた。
4. 陶器質の有孔虫について培養を進め、1個体からのRNA抽出に関する条件検索を行った。
- ID情報
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- 課題番号 : 17H02978
- 体系的課題番号 : JP17H02978