2019年 - 2023年
霊長類大脳皮質ネットワーク機能不全による自己への原因帰属の障害:化学遺伝学的研究
日本学術振興会 科研費 基盤研究(C) 基盤研究(C)
本研究は、社会的な状況において自己や他者と事象の因果関係の認識を担う霊長類大脳皮質ネットワーク経路を調べることを目的とする。
精緻な神経生理学研究や人為的な干渉を加える研究を行うために侵襲性を伴う実験手法を用いるには、動物における行動実験が必要である。本年度は、これまでに構築してきた、2頭のマカクザルが同時に参加する社会的な状況下での原因帰属課題を用いて行動実験を継続した。マカクザルは、自己・同種他個体・その他の実体の関わる出来事の原因構造を、自身による原因判断の経験を通して理解することができるだけでなく、他者が原因帰属をくりかえして原因構造をよく理解していく過程を観察することによっても理解し、そのあとに自分でもその原因構造に即して出来事の原因判断をすることができることを示唆する結果が得られている。さらに、出来事の原因構造がサルにとっていまだ不明確な状態での原因帰属行動を検証する実験を行った。サルは自身の原因判断の試行錯誤を通してだけでなく、類似した出来事の他者による少数回の原因判断行動の観察をもとに、因果関係が不明確な出来事の原因帰属行動を行うことができることを示唆する結果を得た。他者による自己あるいは他者への原因帰属と、自身による自己あるいは他者への原因帰属との相互作用の詳細を調べる行動実験が継続中であり、開発中の皮質脳波電極を用いた電気生理学的な神経活動記録による脳領野ネットワーク同定実験を進行する。
精緻な神経生理学研究や人為的な干渉を加える研究を行うために侵襲性を伴う実験手法を用いるには、動物における行動実験が必要である。本年度は、これまでに構築してきた、2頭のマカクザルが同時に参加する社会的な状況下での原因帰属課題を用いて行動実験を継続した。マカクザルは、自己・同種他個体・その他の実体の関わる出来事の原因構造を、自身による原因判断の経験を通して理解することができるだけでなく、他者が原因帰属をくりかえして原因構造をよく理解していく過程を観察することによっても理解し、そのあとに自分でもその原因構造に即して出来事の原因判断をすることができることを示唆する結果が得られている。さらに、出来事の原因構造がサルにとっていまだ不明確な状態での原因帰属行動を検証する実験を行った。サルは自身の原因判断の試行錯誤を通してだけでなく、類似した出来事の他者による少数回の原因判断行動の観察をもとに、因果関係が不明確な出来事の原因帰属行動を行うことができることを示唆する結果を得た。他者による自己あるいは他者への原因帰属と、自身による自己あるいは他者への原因帰属との相互作用の詳細を調べる行動実験が継続中であり、開発中の皮質脳波電極を用いた電気生理学的な神経活動記録による脳領野ネットワーク同定実験を進行する。
- ID情報
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- 課題番号 : 19K07800
- 体系的課題番号 : JP19K07800
この研究課題の成果一覧
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論文
1-
Advanced Biomedical Engineering 10 26-31 2021年 査読有り