2019年4月 - 2022年3月
オミックス解析とノトバイオート技術を基軸としたインプラント周囲炎治療戦略
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
口腔乾燥症は易感染性や創傷治癒不全を引き起こし、歯周疾患を増悪させる。その影響は天然歯周囲に留まらず、インプラント周囲においても同様である。インプラント治療を受ける患者は増加しており、また口腔乾燥症罹患者は加齢とともに増加するため、既に超高齢社会に突入した本邦では口腔乾燥症を有する高齢者は飛躍的に増加し、それに伴うインプラント周囲炎の増加は必然である。歯周疾患、インプラント周囲炎そのいずれも細菌感染が大きな原因であるが、これまでの研究により、それぞれに関与する細菌が異なる可能性が示唆されており(Shiba et al. Scientific Reports. 2016)、また、口腔乾燥により細菌叢が変化する可能性が示唆されてきている(Proctor et al. Nat Commun. 2018.)。つまり、口腔乾燥といった口腔環境の変化により細菌叢の変化が生じ、インプラント周囲の炎症をより重篤化、難治化していると考えられる。口腔乾燥症を有しインプラント周囲炎に罹患している患者において原因となっている、もしくは増悪因子となっている細菌を、次世代シークエンサーを用いたRNAシークエンスによるメタトランスクリプトーム解析と、ノトバイオート技術を用い解明することを目的とする。これまでに、インプラント周囲炎モデルラット、口腔乾燥症モデルラットの確立を行った。今後、次世代シークエンサーを用いた細菌叢の網羅的解析を行い、口腔乾燥症によりインプラント周囲炎を増悪させる細菌の候補を探索する。
- ID情報
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- 課題番号 : 19K10213
- 体系的課題番号 : JP19K10213