共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2024年3月

国土・河川計画の歴史的影響を考慮した水系基盤システムデザインによる地域特性の継承

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特別研究員奨励費  特別研究員奨励費

課題番号
21J22563
体系的課題番号
JP21J22563
配分額
(総額)
2,200,000円
(直接経費)
2,200,000円
(間接経費)
0円

流域全体での河川管理とローカルな地域再生の取り組みをつなぐ水系基盤システムデザインの方法論構築に向けて、「河川文化アプローチ」に関する文献レビュー、「かわまちづくり」計画等における参加型プロセスを対象とした実証的分析、国内複数事例の現地調査による自然環境特性の影響分析をおこなった。
「河川文化アプローチ」は、Wantzen博士を中心とするユネスコの研究グループが2016年に提案したスケール横断的な計画概念である。本研究では、その被引用文献に着目し、参加型プロセス、河川再生事業、自然に基づく解決策の3つを関連の深い施策カテゴリとして抽出した。さらに各施策カテゴリに関連する既往研究レビューから具体の実践課題を示し、分析のフレームワークを整理することで、日本の既存河川施策の課題と展開可能性を考察した。
「かわまちづくり」は、多主体参加型の計画検討プロセスを通じた河川環境整備を推進する施策であり、河川管理と地域再生のスケール横断的な連携推進に展開可能性が高い国内施策の一つである。本研究では、河川利用推進を目的とした護岸改修が計画された愛媛県大洲市の肱川かわまちづくり第1期計画等を対象に、検討プロセスの文献調査とヒアリング調査をおこない、協議会・WSの参加者の性質と議論内容の関係を分析した。その結果、参加型プロセスを通じた護岸等の河川管理施設の計画検討に、河川への関心・愛着等といった地域住民の環境認識の特性が影響を与えることを指摘した。
地域住民の環境認識の特性には、地域形成史等の歴史文化の影響が想定される。そこで新潟市、岡崎市、岐阜市、伊豆の国市、白山市、人吉市、日田市等の現地調査を実施した。その結果、川沿いの地域形成史と、河川地形、特に河床勾配の縦断変化に関係性を見出した。さらに狩野川の土砂輸送に関する一次元計算をおこない、放水路分派および狭窄部地形と土砂輸送能力の関係性を検討した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21J22563
ID情報
  • 課題番号 : 21J22563
  • 体系的課題番号 : JP21J22563

この研究課題の成果一覧

論文

  3

MISC

  2

講演・口頭発表等

  7