大規模殻模型計算と3準位模型による$^{40}$Caの超変形状態からの$E0$遷移の理解
日本物理学会2022年秋季大会(素粒子,核物理,宇宙線・宇宙物理)
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- 開催年月日
- 2022年9月
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 開催地
- 岡山
- 国・地域
- 日本
最近、オーストラリア国立大学にて測定された、$^{40}$Caの超変形状態から基底状態への極めて小さな$E0$遷移行列要素を引き起こすメカニズムについて講演する。まず、模型空間を$sd$殻および$pf$殻の低い2本の軌道をとった大規模殻模型計算を行い、実験で知られている、基底状態、通常変形状態、超変形状態の$0^+$を再現することを確認した。その計算によって得られた波動関数を使って$E0$遷移行列要素を$m$粒子$m$空孔($m=0,2,4,6,8,10$)からの寄与に分解したところ、超変形状態から基底状態への$E0$遷移行列要素は、異なる$m$からの寄与が互いに打ち消し合うためにその値が小さくなることがわかった。これは従来よく採用されてきた2準位模型では生じず、3準位の波動関数の混合によって初めて生まれる効果である。