基本情報

所属
京都大学 白眉センター/大学院理学研究科 特定助教 (白眉研究員特定助教)
学位
博士(生命科学)(東北大学大学院)

J-GLOBAL ID
201801018207678338
researchmap会員ID
B000301443

外部リンク

地球上の生物多様性は,どのように創出され維持されているのでしょうか。表現型や種の多様化を生み出す最も強力な生物間相互作用は「資源をめぐる競争」とされており,最も普遍的な相互作用であるはずの「捕食–被食者間相互作用(食う食われるの関係)」の影響は軽視されているのが現状です。一方,私の研究対象である東北アジア地域(北海道・中国・ロシア極東域)の陸産貝類(カタツムリ)は,表現型の著しい多様化が見られる一方で,種間に「資源をめぐる競争」がほとんど働いていないという稀有な系であることが明らかになりつつあります。この系を用いることで「資源をめぐる競争」と「食う食われるの関係」とを分離して扱うことができ,表現型と種の多様化に対する捕食者の影響のみを評価することができると考えました。私はこの「捕食者による被食者の多様化メカニズム」の解明に向け,野外における生態学的研究から,DNA を扱う分子生物学的な研究,殻組成や同位体に着目した生化学的な研究など,多角的なアプローチにより研究を行っています。特にカタツムリが殻を振り回して外敵を撃退する行動を初めて発表した Morii et al (2016, Sci Rep) は,国内外のメディアに大きく取り上げられました。現在もそれに続く研究を進めているところです。


同時に,外来種の大型ナメクジ・マダラコウラナメクジを対象にした,市民科学のプロジェクトも主導しており,これまでに三編の論文を発表しています。市民が集めたナメクジの観察結果を用いて,ナメクジの出現しやすい気象条件を最新のベイズ統計から割り出した Morii et al (2018, STOTEN) は,特に顕著な成果として挙げられると思います。市民の方々と共に立ち上げた「外来ナメクジに挑む市民と学者の会」の活動も評価され,2019 年には日本自然保護協会の主催する自然保護大賞「入選」を果たしました。基礎と応用の両面に精通していることは私の強みのひとつと自負しています。


学歴

  3

論文

  40

MISC

  9

書籍等出版物

  3

共同研究・競争的資金等の研究課題

  9

社会貢献活動

  1