基本情報

所属
Institute of Science Tokyo(東京科学大学) 大学院医歯学総合研究科 ウイルス制御学分野/Resilience-Tech Society Visionary Initiative 教授/Sub-PD
学位
医師・博士(医学)(九州大学)

連絡先
shirogane.y.9154m.isct.ac.jp
研究者番号
40756988
J-GLOBAL ID
201801018319887495
Researcher ID
AAO-1073-2021
researchmap会員ID
B000326805

外部リンク

ー研究室の紹介ー

なぜウイルスはそれぞれに異なる病原性を持ち、多種多様な感染症を引き起こすのでしょうか?また、ウイルスの集団構造は病原性の発揮にどのような影響を与えているのでしょうか?私たちは学際的なアプローチを用いてこれらの難問に取り組み、ウイルスの進化と病原性を支配する分子メカニズムの解明を進めています。

 

<メンバー>

白銀 勇太(教授)

医師・博士(医学)。福岡県立福岡高校出身。2013年に九州大学医学部医学科のMD-PhDコースを卒業。東京都新宿区にある国立国際医療研究センター病院での2年間の臨床研修を経て、国立感染症研究所ウイルス第三部に研究員として勤務。その後、米国留学(カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)微生物免疫学Andino研究室)、九州大学医学研究院ウイルス学を経て、2024年5月より東京医科歯科大学(現・東京科学大学 Science Tokyo)大学院医歯学総合研究科ウイルス制御学分野で教育・研究に従事しています。

竹本 竜一(講師)

助川 明香(テニュアトラック講師)

田代 楓(プロジェクト助教)

平居 優一(博士課程2年、日本学術振興会特別研究員・DC1)

鈴木 明日香(修士課程1年)

後藤 和愛(技術支援員)

金 良鏡(技術支援員)

内藤 香澄(事務支援員)

 

<研究内容>

【研究テーマ1】麻疹ウイルスによる致死性脳炎発症メカニズムの研究

麻疹(はしか)は、高熱と発疹を伴うウイルス感染症で、今もなお発展途上国を中心に猛威を振るっています。病原体である麻疹ウイルス(MeV)は快復後もまれに脳に潜伏感染し、感染後数年を経て致死的な脳炎(亜急性硬化性全脳炎、SSPE)を引き起こします。その時限爆弾のような発症様式は元来神経親和性を持たないMeVが患者脳内で進化することによりもたらされます。私たちはこのようなMeVの体内進化によるSSPE発症メカニズムの解明に取り組んでいます。最新の研究では麻疹ウイルスが神経細胞で増えるメカニズム「シス膜融合誘導(シス受容体模倣因子)」を発見し、それを可能にするウイルス側と宿主側の要因をそれぞれ明らかにしました。

Shirogane et al., 2020, Journal of Virology

Shirogane et al., 2021, Journal of Virology

Takemoto et al., 2022, Journal of Virology

Takemoto et al., 2023, Journal of Virology

Hirai et al., 2025, Journal of Virology

私たちはいつの日かSSPEで苦しむ若い命がこの世界からいなくなることを目指し、研究に邁進しています。

 

【研究テーマ2】ウイルス集団のコミュニティ形成に関する研究

私たちはウイルス間の相互作用の研究にも取り組んでいます。私たちは欠陥ウイルスが集団に有利に働く「協調」や不利に働く「欠陥干渉(DI)」という現象のメカニズムを報告しました。さらに麻疹ウイルスによる致死性脳炎の発症に、異なるウイルスゲノム間の相互作用が重要であることを示しました。これはSociovirology(日本語で社会ウイルス学)という新しい研究分野です。

Shirogane et al., 2012, Nature Communications

Shirogane et al., 2021, PLoS Pathogens

Xiao Y, Lidsky PV, Shirogane Y, et al., 2021, Cell

Shirogane et al., 2023, Science Advances


【研究テーマ3】エンベロープウイルスの膜融合制御機構の解明

私たちは上述の研究テーマ1・2を通して、エンベロープウイルスの増殖に必須の膜融合を制御する宿主側、ウイルス側の因子が、病原性発揮メカニズムと密接に結びついていることを明らかにしてきました。エンベロープウイルスには麻疹ウイルス以外にもヒト病原性を持つものが多く含まれますが、その膜融合制御メカニズムの全容解明にはほど遠い状況です。私たちは現在、創意工夫を凝らしながら、ムンプスウイルスやヘンドラウイルス、ニパウイルスなどヒトに重大な被害をもたらすウイルスの融合制御に関する研究を立ち上げています。

 

【研究テーマ4】ガーナ・野口記念医学研究所との国際共同研究

私たちはガーナ・野口記念医学研究所と共同研究を実施し、デングウイルスの疫学調査など新興・再興感染症の対策に資する研究に取り組んでいます。NMIMRは、ガーナにおいて黄熱研究に尽力された野口英世博士の業績を記念し、日本の支援により1979年に設立されたガーナ国内最大の生物医学研究機関で、感染症を含む幅広い医療・公衆衛生分野の研究を行っています。

Tashiro et al., 2026, GHM Open

 

【研究テーマ5】動物モルビリウイルスの研究

私たちは、国内の共同研究者と共同研究を実施し、動物モルビリウイルスの血清疫学調査に取り組んでいます。

Tashiro et al., 2026, Journal of General Virology

 

<メディア報道>

化血研の研究者インタビューで紹介されました(こちら)。

Professor Vincent Racanielloらによる配信(This Week in Virology、TWiV 981)にて私たちの研究内容が紹介されました(Youtube, Apple Podcast, Google Podcast)。

朝日新聞夕刊の連載「ぶらっとラボ」にて紹介されました(「社会」で進化、麻疹ウイルス)。

 

<その他>
Please also see the ResearchGate:
https://www.researchgate.net/profile/Yuta-Shirogane

Key words:measles virus, 麻疹ウイルス, SSPE, CADM1, CADM2, cooperation, virus, evolution, quasispecies, receptor-mimicking cis-acting fusion triggering, cis-acting receptor, membrane fusion, enveloped virus, mumps virus, ムンプスウイルス, はしか, おたふく風邪


主要な論文

  30

主要なMISC

  10

主要な講演・口頭発表等

  35

所属学協会

  4

共同研究・競争的資金等の研究課題

  16

主要な学術貢献活動

  8

主要なメディア報道

  16