2021年3月12日
世界観設計としての形而上学——その記述的側面と規定的側面
日本大学文理学部人文科学研究所・第16回哲学ワークショップ「分析哲学の前提を問い直す——概念の研究は社会や価値と切り離せるのか?」
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- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- シンポジウム・ワークショップ パネル(指名)
- 主催者
- 日本大学文理学部人文科学研究所
- 開催地
- オンライン
- 国・地域
- 日本
形而上学は,しばしば世界の根底的構造を探究する哲学分野として特徴づけられる.しかし,哲学者が,世界の構造を探究するために,科学を超える特別な能力や方法を利用できるとは考え難い.他方で,私たち自身の直観や言語に基づく概念分析が,私たち自身に関する探究という意味を超える「形而上学的」な内実をもつとはいえない.だが,いわゆる科学とは異なる哲学分野としての形而上学に固有の課題はないと結論づけるのは性急である.近年,哲学方法論の分野で批判的ないし規範的な活動としての概念研究という哲学観がにわかに注目を集めつつあるが,そのような意味での哲学研究の一領域として形而上学を位置づけることで,標準的な形而上学観の一部を救いつつ,それが担うべき課題を適切に理解することができる.本発表では,このような,記述的(descriptive)な形而上学観から規定的(prescriptive)な形而上学観への変更を提案ないし擁護し,規定的形而上学とはいわば世界観設計であると主張する.その中で,形而上学を他の哲学分野から区別する特徴の問題と,規定的形而上学がもつ記述的側面と規定的側面の関係に関する問題についても考察する.
(ワークショップの登壇者:三木那由他,松井隆明,清水雄也)
(ワークショップの登壇者:三木那由他,松井隆明,清水雄也)