共同研究・競争的資金等の研究課題

2016年4月 - 2020年3月

縮小型事前分布によるベイズ推測と統計的決定理論

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
16K00040
体系的課題番号
JP16K00040
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

多変量正規分布の平均ベクトルの推定において,特に一般化ベイズ推定量の許容性,ミニマクス性に関して,結果が得られた.そしてその論文のAnnals of Statisticsへの掲載が決まった.一連の結果の特別な場合は,次の通りである.「X~N_p(θ,σ^2I_p), S/σ^2~χ_2^n で損失関数 ||δ-θ||^2/σ^2 のもとでθの推定問題を考える.このとき,James-Stein 推定量の縮小係数を少しいじった [1-{(p-2)/(n+2)}/{||x||^2/s+(p-2)/(n+2)+1}]xが,ある広義事前分布のもとで一般化ベイズ推定量である.さらにこの推定量は,ある共変性を満たす推定量のクラス{1-ψ(||x||^2/s)}xの中で許容的であり,またミニマクスでもある.」
平均ベクトルの推定問題は,分散既知の設定では十分研究されてきた.例えば,Brown (1971,AOMS)がその代表例である.しかし,上で示した分散未知の設定(これは正規線形回帰モデルの正準形であり,平均ベクトルは回帰係数に対応する)では,対応する結果が得られていなかった.今回の許容性とミニマクス性の結果により,縮小推定量を使いたい場面で,理論的に良い性質を保持し,かつ非常に簡便な推定量を使えることになった点が評価できる.またこれらの結果が正規性の仮定を外した球面対称分布のもとでもある程度成立する点も興味深い.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-16K00040
ID情報
  • 課題番号 : 16K00040
  • 体系的課題番号 : JP16K00040