共同研究・競争的資金等の研究課題

2011年 - 2013年

極超音速流れにおける放電プラズマ現象の物理の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特別研究員奨励費
  • 渡邉 保真

課題番号
11J06441
配分額
(総額)
1,900,000円
(直接経費)
1,900,000円

本研究の目的は, 将来の極超音速空力制御を見据えた放電プラズマによる気流制御メカニズムの解明とその物理モデル考案であり, 最終年度に当たる平成25年度は, 昨年度までに完了した気流制御現象への理解とその物理モデルを基に, 実用的な空力制御への応用を扱った. ここでは, ①直流アーク放電プラズマを用いた極超音速空力制御法として有望な制御装置コンセプトとして, ボディーフラップ前方での放電による空気力制御を提案し, ②その制御効果を数値解析により評価, 更に③極超音速風洞実験により制御性能及び効率を検証・評価した.
①本研究で提案する放電空力制御装置として, ボディーフラップ前方での放電プラズマにより舵面での空気力を瞬時に制御し機体の制御モーメントを操作可能とする装置を考案した. この模型は2平面が舵角20度を成して接合された二重楔形状であり, 斜面前方に電極を配置し, 後方の舵面を模した斜面上の空気力変動をまずは数値解析により評価した.
②数値解析の結果, 放電気流制御により舵面で発生するピッチングモーメント及び抗力係数は, 何れも舵角が小さい場合に相当する値に減少する事が判明した.
③この空力制御効果と制御効率を定量評価する為極超音速風洞実験を行った. 配線接続を有する実験模型の空気力計測の為, 新型の力計測系を開発し, これを実験に用いた. 実験の結果, 数値解析での予測と同様の空力制御効果が確認された. 投入電力ベ一スで評価した抗力低減効率は300%を超える高効率であった. 更に, 空気力が静定するまでに掛かる応答時間は0.1秒以下と, 数秒から10秒程度の応答時間を有する従来型の舵面制御に比べ極めて優位性のある制御手法である事が解明された. 上記とは別に放電に対し磁場を印加した際の補助的な気流制御効果を実験により調査したが, 永久磁石による0.1テスラ程度の磁場を用いた場合では圧力を始め流れ場に余り大きな影響を与えないことも判明した. (800字)