2021年8月 - 2023年3月
ホログラフィ向けドメイン特化型プロセッサの開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 研究活動スタート支援 研究活動スタート支援
電子ホログラフィは,3次元情報を忠実に再生可能な唯一知られた方式である.究極の3次元映像提示手法とも呼ばれ,注目を集めている.この方式では,光の振る舞いをコンピュータでシミュレーションすることで得られる計算機ホログラム(CGH: Computer-Generated Hologram)を計算する必要がある.CGHの計算量は膨大であり,現状の計算機性能ではリアルタイム処理に十分ではなく,実用化への大きな課題となっている.本研究では,FPGAを利用して,電子ホログラフィ計算に特化した専用プロセッサを開発することで,計算を超高速化する.専用プロセッサによる電子ホログラフィ実用化への指針を示す.
開発するプロセッサは,短期的には電子ホログラフィ計算を高速化し,ヘッドマウントディスプレイを高性能化する.長期的には専用回路部分を書き換えることで,エッジで高性能な機械学習を可能とするInternet of Things(IoT)システムなどへの応用も期待できる.
これまでに電子ホログラフィ専用計算回路の設計およびFPGAへの実装を行った.電子ホログラフィで計算するCGHには位相型と振幅型の2種類がある.振幅型は比較的計算量が少なく,位相型は計算量が多いが,回折効率に優れ良質な再生像を得られる.実用化へは位相型が有力な方式である.一方で,計算の複雑さのため,これまでのFPGA実装方式では,振幅型に比べ位相型の実装は性能が半分になる問題があった.本研究では,ヒルベルト変換を利用した位相型CGH計算回路を新たに設計し,実装まで行った.従来よりも大幅に必要なFPGAリソース量を抑えることができ,良好な結果を得た.計算性能も理論値通りのパフォーマンスを確認した.
開発するプロセッサは,短期的には電子ホログラフィ計算を高速化し,ヘッドマウントディスプレイを高性能化する.長期的には専用回路部分を書き換えることで,エッジで高性能な機械学習を可能とするInternet of Things(IoT)システムなどへの応用も期待できる.
これまでに電子ホログラフィ専用計算回路の設計およびFPGAへの実装を行った.電子ホログラフィで計算するCGHには位相型と振幅型の2種類がある.振幅型は比較的計算量が少なく,位相型は計算量が多いが,回折効率に優れ良質な再生像を得られる.実用化へは位相型が有力な方式である.一方で,計算の複雑さのため,これまでのFPGA実装方式では,振幅型に比べ位相型の実装は性能が半分になる問題があった.本研究では,ヒルベルト変換を利用した位相型CGH計算回路を新たに設計し,実装まで行った.従来よりも大幅に必要なFPGAリソース量を抑えることができ,良好な結果を得た.計算性能も理論値通りのパフォーマンスを確認した.
- ID情報
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- 課題番号 : 21K21294
- 体系的課題番号 : JP21K21294
この研究課題の成果一覧
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論文
1-
Optics Express 30(21) 38115-38127 2022年10月10日 査読有り筆頭著者責任著者