2017年4月 - 2020年3月
ポスト伝統社会における宗教的アイデンティティに基づいたマイノリティの社会適応戦略
独立行政法人日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費 特別研究員奨励費
本年度はまず4月に、昨年度末から滞在中であったフランスにおいて現地調査を継続し、パリの大モスクに関連する非営利団体において参与観察を行った。
またこれと並行して、昨年度1月に『ソシオロジ』に投稿した論文に対して寄せられた査読コメントを受けて、その一部を修正した。この論文はパリ在住の中流階層のイスラーム教徒が信仰実践を回避することをどのように正当化しているかについて扱ったものであり、修正完了後の本論文は、本年度7月に出版された『ソシオロジ』63巻1号に掲載された。
その後、日本に帰国した後に、上述の論文および今後の研究計画を20ページほどにまとたものをフランス語で執筆して、問題関心を共有するフランスの社会学者から研究に関するアドバイスを受けた。
また、8月に上海で実施された、カルチュラル・スタディーズの世界大会のプレ・コンファレンスにて、他の日本人研究者らとともにセッションを組み、英語による発表を行った。このセッションは西洋中心主義的な知の生産を問い直すことを目指すものであり、世俗主義を前提としないようなイスラミック・フェミニズムによる女性の解放の多元性に関する発表を行った。
本年度1月からは、以上の成果を研究論文にまとめるために、フランスのイスラーム教徒の間の多様性と(階層的)断絶に注目する論文の執筆を開始した。ここで言う「断絶」は、実体的な社会経済的的概念として階層的観点から分析されるのではなく、社会・経済的に成功するエリートのイスラーム教徒が、社会的に構築された「郊外の貧しいイスラーム教徒」というステレオタイプによって捉えられがちな「より疎外された」人びとについて、いかに語るかという点から分析される。
またこれと並行して、昨年度1月に『ソシオロジ』に投稿した論文に対して寄せられた査読コメントを受けて、その一部を修正した。この論文はパリ在住の中流階層のイスラーム教徒が信仰実践を回避することをどのように正当化しているかについて扱ったものであり、修正完了後の本論文は、本年度7月に出版された『ソシオロジ』63巻1号に掲載された。
その後、日本に帰国した後に、上述の論文および今後の研究計画を20ページほどにまとたものをフランス語で執筆して、問題関心を共有するフランスの社会学者から研究に関するアドバイスを受けた。
また、8月に上海で実施された、カルチュラル・スタディーズの世界大会のプレ・コンファレンスにて、他の日本人研究者らとともにセッションを組み、英語による発表を行った。このセッションは西洋中心主義的な知の生産を問い直すことを目指すものであり、世俗主義を前提としないようなイスラミック・フェミニズムによる女性の解放の多元性に関する発表を行った。
本年度1月からは、以上の成果を研究論文にまとめるために、フランスのイスラーム教徒の間の多様性と(階層的)断絶に注目する論文の執筆を開始した。ここで言う「断絶」は、実体的な社会経済的的概念として階層的観点から分析されるのではなく、社会・経済的に成功するエリートのイスラーム教徒が、社会的に構築された「郊外の貧しいイスラーム教徒」というステレオタイプによって捉えられがちな「より疎外された」人びとについて、いかに語るかという点から分析される。
- ID情報
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- 課題番号 : 17J03207
- 体系的課題番号 : JP17J03207