2017年4月 - 2020年3月
ナノ細孔アレイからの液体の蒸発により生じる希薄気体流の解析と冷却デバイスへの応用
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
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- 課題番号
- 17H03172
- 担当区分
- 研究分担者
- 配分額
-
- (総額)
- 17,550,000円
- (直接経費)
- 13,500,000円
- (間接経費)
- 4,050,000円
- 資金種別
- 競争的資金
(1) 液面から蒸発する気体分子の速度分布計測
平成29年度の予備実験から得られた知見をもとに,液面から蒸発する水分子を分子線として抽出し,飛行時間法により速度分布を計測する実験系の構築を進めた.分子線を抽出する方法として,当初計画していたキャピラリーチューブ先端に液滴を保持する方法では,液中に含まれる不純物の堆積により,長期間に渡って清浄な液面を保持することが困難であることが確認された.その対策として,薄板に加工されたピンホールを介して水滴を生成・保持する機構を新たに考案した.この機構では,ピンホール下部に流路を設け,脱気水を循環させることで,不純物の堆積が防止される.小型真空容器内に保持された液滴の挙動を顕微鏡で観察し,液滴を安定して保持できる条件を見出すための実験を行った.その結果,数日程度の期間,水滴を安定して保持できることが確認された.
(2) 液面近傍のナノ・マイクロスケール非平衡気体流れの数値解析
前年度に引き続き,液面からの蒸発により生じる非平衡気体流れ(クヌッセン層)を分散低減型モンテカルロ法で解析するための手法の構築を進めるとともに,構築した手法を適用することにより二次元スリット状細孔および三次元細孔表面からの蒸発に伴う流れの解析を実施した.分散低減型モンテカルロ法を用いることで,条件によっては計算コストが1000分の1以下となり,これまで一般的に用いられてきたモンテカルロ直接法では困難な大規模な計算が行えることが確認できた.また,分散低減型モンテカルロ法に多原子分子の回転自由度を考慮した衝突過程を導入する手法を構築し,回転温度の緩和過程が正しく再現できることを確認した.ただし,計算コスト低減のためにはアルゴリズムの改良が必要であることも同時に明らかになった.
平成29年度の予備実験から得られた知見をもとに,液面から蒸発する水分子を分子線として抽出し,飛行時間法により速度分布を計測する実験系の構築を進めた.分子線を抽出する方法として,当初計画していたキャピラリーチューブ先端に液滴を保持する方法では,液中に含まれる不純物の堆積により,長期間に渡って清浄な液面を保持することが困難であることが確認された.その対策として,薄板に加工されたピンホールを介して水滴を生成・保持する機構を新たに考案した.この機構では,ピンホール下部に流路を設け,脱気水を循環させることで,不純物の堆積が防止される.小型真空容器内に保持された液滴の挙動を顕微鏡で観察し,液滴を安定して保持できる条件を見出すための実験を行った.その結果,数日程度の期間,水滴を安定して保持できることが確認された.
(2) 液面近傍のナノ・マイクロスケール非平衡気体流れの数値解析
前年度に引き続き,液面からの蒸発により生じる非平衡気体流れ(クヌッセン層)を分散低減型モンテカルロ法で解析するための手法の構築を進めるとともに,構築した手法を適用することにより二次元スリット状細孔および三次元細孔表面からの蒸発に伴う流れの解析を実施した.分散低減型モンテカルロ法を用いることで,条件によっては計算コストが1000分の1以下となり,これまで一般的に用いられてきたモンテカルロ直接法では困難な大規模な計算が行えることが確認できた.また,分散低減型モンテカルロ法に多原子分子の回転自由度を考慮した衝突過程を導入する手法を構築し,回転温度の緩和過程が正しく再現できることを確認した.ただし,計算コスト低減のためにはアルゴリズムの改良が必要であることも同時に明らかになった.
- ID情報
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- 課題番号 : 17H03172