講演・口頭発表等

2019年1月26日

アドリエンヌ・リッチ作品における対話の手法とその目的:1970年代作品を中心に

日本アメリカ文学会東京支部2018年度1月例会

記述言語
日本語
会議種別
口頭発表(一般)

リッチが対話による人間理解を求めていたこと、そしてフェミニズムには女性同士の結びつきが必要不可欠だと考えていたことの二点を念頭に置き、対話によって生み出される女性の共感力について述べる。作品としては、1970年代のアメリカで隆盛を極めたフェミニスト定期刊行雑誌に掲載された詩を取り上げる。当時既にフェミニストとして影響力が高かったリッチの詩は、女性たちの共感力に訴え、フェミニズムの道へと誘なう目的を持っていたと考えられるからだ。リッチは自ら提唱した“Re-vision”という書き換え行為を通して、男性詩人たちの対話手法をより効果的なものに書き換えたということを説明した。