講演・口頭発表等

2021年11月6日

詩篇第14篇の読解及び試訳の発表

日本エズラ・パウンド協会 ワークショップ

記述言語
日本語
会議種別
シンポジウム・ワークショップ パネル(指名)

エズラ・パウンドの長編詩『詩篇』第14篇の翻訳および注釈、解釈を提示した。「地獄詩篇」の異名を持つ第14篇は、冒頭詩行の引用やイメジャリからして、ダンテの『神曲』地獄篇と酷似しているものの、地獄そのものの描かれ方は大きく異なると言われている。そこで本発表では、具体的に例証しつつ、『神曲』への想起から、古典文学の一つとして『詩篇』を位置付けようとするパウンドの詩作目的を指摘し、また、ダンテのものとは異なる罪人たちの罪の無自覚さから、第一次世界大戦の痛烈な批判をはじめとするパウンド自身の政治観の提示という、もう一つの詩作目的があったことを指摘した。