1994年 - 1995年
MagellanSバンドトラッキング電波を利用した金星大気探査
日本学術振興会 科学研究費助成事業 一般研究(C)
金星の大気中で屈折した電波の位相と振幅から、従来の探査では得ることが困難であった高度35km以下の金星大気に関する知見を得る手法を確立することが本研究の目的である。従来の電波オカルテーション探査との決定的な違いは、本研究では金星表面で一回反射した電波を使うことにある。これにより屈折だけでは濃密な大気に阻まれて大気上層にしか入り込めなかった電波が原理的には金星表面まで入り込んだ後に再び大気外に出ることが可能となり、それを活用した観測である。具体的には位相情報(伝播時間))から大気の屈折率分布をもとめ、これから大気の粒子密度分布を求めるアルゴリズムを開発した。
このうち平成6年度は金星表面で反射する経路について、金星のように、圧力の高い大気中での電波の伝播を求める詳細な計算を行った。これにより本研究が原理的にも可能であることがほぼ明らかにした。
平成7年度は引き続き電波の伝播の計算精度を向上させ、具体的に電波の伝播速度と屈折率分布の関係を求め、これから大気の構造を求める方式を確立した。このなかで、大気の構造を求めるためには大気層への電波の入射角度の小さな範囲で行うことが必要であることが見いだされた。
本研究のタイトルにあるNASAの探査機マジェランは、本研究の初期に金星大気に突入しミッションを終了したので、本研究の原理に基づく探査法を実際に検証することはできなかったが、マジェランが得た金星表面の高度分布はこの研究で重要なパラメターとなる。また、次期の金星探査としてNASAは、デイスカバリー計画のなかでVenus Multiprobe Missionが認められたので、これへの参加の可能性をこの研究の発展として検討していく。
また、これと平行して、金星の表面付近の探査法としての「金星大気の炭酸ガスを液化してそれを冷却に用いる直接探査法」も検討された。
このうち平成6年度は金星表面で反射する経路について、金星のように、圧力の高い大気中での電波の伝播を求める詳細な計算を行った。これにより本研究が原理的にも可能であることがほぼ明らかにした。
平成7年度は引き続き電波の伝播の計算精度を向上させ、具体的に電波の伝播速度と屈折率分布の関係を求め、これから大気の構造を求める方式を確立した。このなかで、大気の構造を求めるためには大気層への電波の入射角度の小さな範囲で行うことが必要であることが見いだされた。
本研究のタイトルにあるNASAの探査機マジェランは、本研究の初期に金星大気に突入しミッションを終了したので、本研究の原理に基づく探査法を実際に検証することはできなかったが、マジェランが得た金星表面の高度分布はこの研究で重要なパラメターとなる。また、次期の金星探査としてNASAは、デイスカバリー計画のなかでVenus Multiprobe Missionが認められたので、これへの参加の可能性をこの研究の発展として検討していく。
また、これと平行して、金星の表面付近の探査法としての「金星大気の炭酸ガスを液化してそれを冷却に用いる直接探査法」も検討された。
- ID情報
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- 課題番号 : 06650436
- 体系的課題番号 : JP06650436