

佐野 誠子
基本情報
- 所属
- 名古屋大学 人文学研究科 教授
- 学位
-
博士(文学)(東京大学)PHD(The University of Tokyo)
- 研究者番号
- 80359827
- J-GLOBAL ID
- 200901067536128218
- researchmap会員ID
- 1000315909
中国(何をもって中国とするかも難しい問題なのですが、とりあえず漢語を主言語とし、中国大陸の中原地域を支配してきた一連の王朝を指しています)の歴史の中で、文学というのは、重い意味を持ってました。今の私たちは、文学というのは軟弱な、世の中の役にたたない、ただの娯楽というようなものだと捉えているかもしれませんが、中国では毛詩大序をはじめとした「詩は志を言う(詩言志)」の観念で、ことばというものは、為政者を変える強い力があると考えられていたし、歴代の文学者もことばの力を信じて、作品が作られてきました。
伝統的な士大夫の作る詩や文にはそういった観念が背景にあることを忘れてはなりません。
また史伝も、司馬遷『史記』のように、壮大な志を抱き、後世に何があったのかを伝えようという強い意志のもとで書かれていました。
なのですが、私の専門は、中国古典文学といっても、そういった大文字の文学ではなかったものです。僻地というか、マイナーというか。書かれた時から歴史書の片隅に位置し、その後は、歴史書の末席も汚せなくなった志怪という、怪異の記録が書かれた書物が専門の中心です。
正統な文学を書いてきた文学者の作品でも、ちょっと生活の実感がにじみ出てくるようなユーモアのある作品があります。私が建前で肩肘を張った作品よりも、そういった脱力感のある詩文を読むのが好きなのは、おそらく自分が志怪を専門にしているのと通じ合うのでしょう。
どうして私が中国文学を専攻し、志怪研究をするようになったのかについては、拙著『怪を志す』(名古屋大学出版会2020)のあとがきにも書いたので、そちらを参照してもらいたいのですが、どうやら自分は、ちょっと変な話が好きなようです。このようなものも、片隅でではあるものの書かれてきて、一応残ってはいる。どんなテキストでもしるされたことの意味はあるはずで、その意味を考えることで、中国のお話的なものの歴史的変遷をたどりたい、というのが私の研究の目標です。
研究キーワード
4研究分野
2経歴
6-
2017年4月 - 現在
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2015年4月 - 2017年3月
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2011年4月 - 2015年3月
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2007年4月 - 2011年3月
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2002年10月 - 2007年3月
-
2000年4月 - 2002年9月
学歴
7-
- 2006年3月
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2000年4月 - 2003年3月
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- 2003年
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1998年4月 - 2000年3月
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- 2000年
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- 1998年3月
-
- 1998年
主要な書籍等出版物
15-
名古屋大学出版会 2020年2月25日 (ISBN: 4815809836)
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明治書院 2006年11月25日 (ISBN: 4625663431)
論文
28-
『集刊 東洋学』 (126) 23-42 2022年1月 査読有り筆頭著者
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『域外漢籍研究集刊』 (20) 357-378 2020年12月 査読有り責任著者
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漢學研究 37(4) 83-113 2019年12月 査読有り招待有り
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陳茂仁主編『嘉義大學主辨 第六届中國小説戯曲研討會論文集』 73-102 2019年9月 招待有り
-
文史知識 2018(12) 20-25 2018年12月 招待有り
-
『日本中国学会報』 (70) 45-58 2018年10月 査読有り
-
『アジア遊学 中国古典小説研究の未来―21世紀への回顧と展望』 74-84 2018年5月
-
『中国古典小説研究』 (21) 1-18 2018年3月 査読有り
-
『名古屋大学文学部研究論集.文学』 (63) 91-109 2017年3月
-
『名古屋大學中國語學文學論集』 (30) 91-112 2017年3月
-
『桃の会論集』 (7) 35-58 2016年8月
-
『中国文哲研究通訊』 26(2) 19-40 2016年6月 査読有り招待有り
-
『名古屋大學中國語學文學論集』 (29) 21-44 2015年12月
-
『名古屋大學中國語學文學論集』 (29) 177-192 2015年12月
-
『和光大学表現学部紀要』 (15) 55-71 2015年3月
-
『中唐文学会報』 (21) 34-51 2014年10月
-
『桃の会論集』 (6) 2013年8月
-
『和光大学表現学部紀要』 (11) 1-16 2011年3月
-
『六朝学術学会報』 (12) 31-46 2011年 査読有り
-
『中国古典小説研究』 (15) 1-18 2010年 査読有り
MISC
16-
名古屋大学中国語学文学論集 (34) 1-47 2021年2月
-
名古屋大学中国語学文学論集 (33) 1-50 2020年2月
-
『中国古典小説研究』 (22) 111-114 2019年3月
-
名古屋大学中国語学文学論集 (32) 1-40 2019年2月
-
名古屋大学中国語学文学論集 (31) 59-111 2018年2月
-
名古屋大学中国語学文学論集 (31) 1-58 2018年2月
-
名古屋大學中國語學文學論集 (30) 147-223 2017年3月
-
『六朝学術学会報』 (17) 51-60 2016年3月 招待有り
-
『名古屋大學中國語學文學論集』 (29) 117-192 2015年12月
-
『名古屋大學中國語學文學論集』 (29) 65-116 2015年12月
-
『和光大学表現学部紀要』 10 1-11 2010年
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The NIPPON-CHUGOKU-GAKKAI-HO(Bulletin of Sinological Society of Japan) 54,77-91 2002年
-
TOHOGAKU(Eastern Studies) 104,21-35 2002年
-
The Journal of Chinese Language and Literature of The University of Tokyo 4,244-253 2001年
-
The Journal of Chinese Language and Literature of The University of Tokyo 4,67-82 2001年
-
Journal of Chinese Language and Literature of the University of Tokyo 2,1-24 1999年
所属学協会
9講演・口頭発表等
10-
中唐文学会 2021年10月8日
-
Crossing Boundaries: An International Symposium on Chinese Literature and Culture 2019年10月25日 招待有り
-
從中古到近代 :寫本與跨文化 國際學術研討會 2019年8月24日 北京大学東方文学研究中心
-
『天地瑞祥志』を中心とした前近代東アジア思想・文化の総合的研究国際シンポジウム 2018年9月8日
-
桃の会第49回例会 2018年4月14日
-
第六届 中國小説與戲曲國際研討會 2017年10月27日 招待有り
-
国際シンポジウム中国古典小説研究 30年の回顧と展望 2016年9月5日
-
日本中国学会第67回大会 2015年10月10日
-
桃の会第44回例会 2015年9月27日
-
中部地区中文交流会 2015年8月1日
共同研究・競争的資金等の研究課題
7-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B) 2020年4月 - 2023年3月
-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C) 2019年4月 - 2022年3月
-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B) 2016年4月 - 2019年3月
-
市原国際奨学財団 研究助成 2018年4月 - 2019年3月
-
公益財団法人豊秋奨学会 2015年10月 - 2017年9月
-
文部科学省 科学研究費補助金(若手研究(B)) 若手研究(B) 2004年 - 2006年
-
文部科学省:科学研究費補助金 特別研究員奨励費 2000年4月 - 2002年9月