2018年6月
周術期ガイドラインに基づき安全に胃切除が施行できた胃癌合併PNH症例
PNH Frontier
- 巻
- 号
- 5
- 開始ページ
- 52
- 終了ページ
- 55
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (株)メディカルレビュー社
症例は69歳女性で、58歳頃より夜間早朝の赤色尿やLDH上昇などの溶血所見が出現し、発作性夜間ヘモグロビン尿症と診断された。骨粗鬆症による多発骨折をきたし近医に入院していた際、急激に貧血が進行し黒色便を認めた。上部消化管内視鏡検査にて胃角部小彎前壁に進行胃癌を認め、手術目的に当院消化器外科へ転院した。腹腔鏡下幽門側胃切除術を施行する方針となり、周術期コントロールとしてエクリズマブ投与、抗凝固療法、ハプトグロビン投与を行った。術前に尿路感染症を発症したが抗生剤で速やかに改善し、術中術後には溶血発作を認めず、血栓症の増悪もきたすことなく術後経過は良好であった。プレドニゾロンを投与していたが、縫合不全や感染症などの合併症もなく転院した。
- ID情報
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- ISSN : 2188-4552
- 医中誌Web ID : 2018335851