2018年4月 - 2022年3月
抗酸菌表層糖脂質をリード化合物とする新規癌免疫治療法の開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
Mycobacterium属の細胞壁成分である、ミコール酸(MA)をサブクラス毎に分離精製・リポソーム化し、特定のサブクラスMAが強い抗腫瘍効果を示す事を明らかにしてきた。ketoMAに抗腫瘍効果があることを特定でき、この抗腫瘍効果はTリンパ球依存的な抗腫瘍効果であることが明らかとなった。研究結果については、PLoS One. 2019 Jan 4;14(1):e0209196. doi:
10.1371/journal.pone.0209196. に報告することができた。
つぎに我々は、ketoMAだけによる表層糖脂質trehalose-6 6’-dimycolate(TDM)の抽出を行うこととした。TDMは多くの抗酸菌から得られるが、すべての抗酸菌からのTDMに抗腫瘍効果があるとは限らない。我々は、種々の菌からのTDMを検討した結果、BCGコンノート株からのTDMが非常に活性が強いことから、これを基本製剤とすることとした。さらに、メトキシMAの存在しない、コンノート株から抽出することで、ketoMAだけからなるTDMの抽出を計画した。実際にketoMAからなるTDMの抽出には成功したものの、抽出の度に、マス解析でketoだけかどうかの判断をする必要があることが判明した。そのため、実薬としての可能性が乏しいと判断し、天然物からのketoMAだけからなるTDMの抽出は行わないこととした。
ketoMAだけからなるTDMの抽出をしない代わりに、TDMの抗腫瘍効果のメカニズムの解明をまず行うこととした。現在Tumor Infiltrating Lymphocyte(TIL)を用いて、どのようなリンパ球が腫瘍周囲に浸潤しているか検討している。さらに、天然物ではなく、合成品としてのketoMAからなるTDMができるかどうかも、検討している。
10.1371/journal.pone.0209196. に報告することができた。
つぎに我々は、ketoMAだけによる表層糖脂質trehalose-6 6’-dimycolate(TDM)の抽出を行うこととした。TDMは多くの抗酸菌から得られるが、すべての抗酸菌からのTDMに抗腫瘍効果があるとは限らない。我々は、種々の菌からのTDMを検討した結果、BCGコンノート株からのTDMが非常に活性が強いことから、これを基本製剤とすることとした。さらに、メトキシMAの存在しない、コンノート株から抽出することで、ketoMAだけからなるTDMの抽出を計画した。実際にketoMAからなるTDMの抽出には成功したものの、抽出の度に、マス解析でketoだけかどうかの判断をする必要があることが判明した。そのため、実薬としての可能性が乏しいと判断し、天然物からのketoMAだけからなるTDMの抽出は行わないこととした。
ketoMAだけからなるTDMの抽出をしない代わりに、TDMの抗腫瘍効果のメカニズムの解明をまず行うこととした。現在Tumor Infiltrating Lymphocyte(TIL)を用いて、どのようなリンパ球が腫瘍周囲に浸潤しているか検討している。さらに、天然物ではなく、合成品としてのketoMAからなるTDMができるかどうかも、検討している。
- ID情報
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- 課題番号 : 18H02934