共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2020年3月

土壌抗酸菌細胞壁成分の糖脂質によるアジュバント製剤の開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)
  • 宮崎 淳
  • ,
  • 木村 友和
  • ,
  • 西山 博之
  • ,
  • 神鳥 周也
  • ,
  • 矢野 郁也

課題番号
17K11124
配分額
(総額)
4,680,000円
(直接経費)
3,600,000円
(間接経費)
1,080,000円

Mycobacterium属の細胞壁成分である、ミコール酸(MA)をサブクラス毎に分離精製・リポソーム化し、特定のサブクラスMAが強い抗腫瘍効果を示す事を明らかにしてきた。ketoMAに抗腫瘍効果があることを特定でき、この抗腫瘍効果はTリンパ球依存的な抗腫瘍効果であることが明らかとなった。研究結果については、PLoS One. 2019 Jan 4;14(1):e0209196. doi:10.1371/journal.pone.0209196. に報告することができた。
つぎに我々は、ketoMAだけによる表層糖脂質trehalose-6 6’-dimycolate(TDM)の抽出を行うこととした。TDMは多くの抗酸菌から得られるが、すべての抗酸菌からのTDMに抗腫瘍効果があるとは限らない。我々は、種々の菌からのTDMを検討した結果、BCGコンノート株からのTDMが非常に活性が強いことから、これを基本製剤とすることとした。さらに、メトキシMAの存在しない、コンノート株から抽出することで、ketoMAだけからなるTDMの抽出を計画した。実際にketoMAからなるTDMの抽出には成功したものの、抽出の度に、マス解析でketoだけかどうかの判断をする必要があることが判明した。そのため、実薬としての可能性が乏しいと判断し、天然物からのketoMAだけからなるTDMの抽出は行わないこととした。
ketoMAだけからなるTDMの抽出をしない代わりに、TDMの抗腫瘍効果のメカニズムの解明をまず行うこととした。現在Tumor Infiltrating Lymphocyte(TIL)を用いて、どのようなリンパ球が腫瘍周囲に浸潤しているか検討している。さらに、天然物ではなく、合成品としてのketoMAからなるTDMができるかどうかも、検討している。