共同研究・競争的資金等の研究課題

1993年 - 1993年

新規リン糖及びリン糖誘導体の合成と生理活性

日本学術振興会  科学研究費助成事業  一般研究(C)

課題番号
05640609
体系的課題番号
JP05640609
配分額
(総額)
2,000,000円
(直接経費)
2,000,000円

1.リン酸ヌクレオシドの合成研究:リン糖モノマーをヌクレオシドやグリコシドに導くためのC-1のOH基活性化検討の目的で、入手しやすいモデル化合物としてD-マニトール及びL-リンゴ酸からそれぞれ(2R)-2,3-O-イソプロピリデン-1-ホスフィニルグリセロール及び(3S)-3,4-O-イソプロピリデン-1-ホスフィニルテトリトールを合成した。これらの1-OHをメシレートあるいはトリフレートによって活性化し、アルキルアミノ基やアジド基に変換できた。さらに収率はまだ低いがアデニルも導入できることが判明した。現在D-リボフラノスース型及び2-デオキシ-D-リボフラノース型リン糖のC-1活性モノマー調製を行っており、ついで基本的な塩基との縮合反応によりリン糖ヌクレオシドの合成を行なう。2.リン糖グリコシドの合成研究:D-キシロピラノースおよびD-グルコピラノースのC-1活性モノマー(O-メシレート、トリフレート、ブロモ誘導体)の調製を検討したが、2〜6-OHの最適な保護基の選択的導入、脱離の問題が、まだ完全に解決していない。この点がクリアーできれば、グリコシル化は容易と考えられ、鋭意検討中である。3.新規リン糖モノマー合成研究:コハク酸より導かれる1,4-ジブロモ-2,3-ジメトキシブタンをフェニルホスホニルジクロリド存在下グリニアール反応を利用して、効率的な環化を行い、次いで環リン原子のα位をカルバニオンにして、種々の置換基を導入することにより、新規経路によるリン糖合成を行っている。また、D-グルコースを出発原料として、6-アミノ-D-グルコース型リン糖合成に成功した。D-フルクトース型、L-フコース及びフコサミン型リン糖モノマーも合成された。現在、2-N-アセチルグルコサミン型リン糖が完成しつつある。4.上記合成の中間体及び生成物の生物活性については順次テストしている。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-05640609
ID情報
  • 課題番号 : 05640609
  • 体系的課題番号 : JP05640609