共同研究・競争的資金等の研究課題

2005年 - 2006年

マウス嗅上皮におけるステロイド薬投与の影響

日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(C)
  • 高野澤 美奈子
  • ,
  • 太田 康
  • ,
  • 西野 宏
  • ,
  • 市村 恵一

課題番号
17591799
体系的課題番号
JP17591799
配分額
(総額)
1,500,000円
(直接経費)
1,500,000円

正常嗅上皮細胞へのGCの作用を検討する目的で、GCRの局在とGC-GCR複合体のアポトーシスへの関与についてマウス生体嗅上皮組織(in vivo)と培養マウス嗅上皮細胞(in vitro)で免疫組織学的に検討した。(方法)トリアムシノロンアセトニド(GC)投与マウスの作成:生後4週と9週のマウスに0.001mg/g体重の薬剤を週に1回の頻度で5回および10回の筋肉内投与を行った後に切片を作成した。培養マウス嗅上皮細胞の作成とGC添加:0日齢マウスの鼻甲介と鼻中隔の後部を採取後細胞処理し3週間培養の後、GCを0.4mg/mlの濃度で培養液に添加した。アポトーシス検出方法:アネキシンVとヨウ化プロピジウムの蛍光免疫染色法でアポトーシス細胞を検出した。ミトコンドリアを介するアポトーシスの検出にはMightLight^<TM>の蛍光免疫染色法を用いた。(結果)GCR:in vivo;生後1週目以降の支持細胞と成熟した嗅神経細胞に認めた。in vitro;培養3週目以降の培養細胞に認めた。アポトーシス:in vivo;GC5回投与では支持細胞層に、10回投与では支持細胞層、成熟嗅上皮細胞に加え基底細胞層にアポトーシスを生じた細胞を認めた。in vitro;GC添加によりアポトーシスが誘導された培養細胞の有意な増加を認めた。またGC添加によりアポトーシスを生じた培養細胞にMightLight^<TM>の発現が確認され、ミトコンドリアを介するアポトーシスの誘導が生じている可能性が考えられた。これらの反応はGCR抗体投与により阻害され、アポトーシス誘導の抑制を認めた。(結論)ステロイド薬はGCR陽性の嗅上皮細胞のアポトーシスを促進し、反応性にGCR陰性球状基底細胞に過剰増殖とアポトーシスを引き起こしたと考える。ステロイド薬はGCRを介し嗅上皮の再生・修復に関与している可能性が考えられた。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17591799
ID情報
  • 課題番号 : 17591799
  • 体系的課題番号 : JP17591799