共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2025年3月

近世・近代日本における「富国」論の政治的・社会的機能に関する研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
21H00563
体系的課題番号
JP21H00563
配分額
(総額)
11,700,000円
(直接経費)
9,000,000円
(間接経費)
2,700,000円

本年度は、①米沢藩・秋田藩・熊本藩等に関する史料調査を実施するとともに、②米沢藩・熊本藩で書かれた政治意見書類の史料翻刻・研究データ作成を進め、③それらの成果も踏まえた、近世近代の政治意見書・政治意見空間に関する研究会を実施した。
①に関しては、担当内容に沿って代表者・分担者がそれぞれのフィールドで史料調査を実施した。調査は、近世・近代の「富国」論の意義を理解するために必要な史料として、各藩の藩士層の意見書類、商人らと藩役人らの間で交わされた書簡(近世の政治論・政治意見の特色を反映するものとして)、演説原稿(近代にかけての政治意見の変容を視野に)等を収集した。
②に関しては、米沢藩・熊本藩等に関する史料の翻刻・研究データ作成を進めた。このうち、熊本藩に関しては、以下の③の成果とも関連して、代表者・分担者が史料翻刻・解説執筆を行った、熊本大学永青文庫研究センター編『永青文庫叢書 細川家文書 意見書編』(吉川弘文館、2022年)として刊行された。米沢藩・秋田藩等に関する意見書等、商人の書簡等の史料についても翻刻データを蓄積できた。
③について本年度は、2回のオンライン研究会を実施し、うち1回は、永青文庫叢書研究会と合同で実施した。研究会を通して、熊本藩における各時期の「上書」の全体像、秋田藩域における近世・近代の政治意見空間のあり方が明らかになった。
以上による成果は、小関悠一郎「近世日本の政治理念とその変容 ―「仁政」・「富国」理念を中心に―」(第50回明治維新史学会創立40周年記念大会 シンポジウム、2021年6月13日、オンライン)などの学会発表により積極的に発信するとともに、今村直樹・小関悠一郎編『熊本藩からみた日本近世:比較藩研究の提起』(吉川弘文館、2021年)、天野真志編著『石黒織紀 膺懲稗史』(国立歴史民俗博物館、2022年)等の書籍にも反映させることができた。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21H00563
ID情報
  • 課題番号 : 21H00563
  • 体系的課題番号 : JP21H00563

この研究課題の成果一覧

論文

  6

MISC

  2

書籍等出版物

  2

講演・口頭発表等

  13