共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

温度制御式反復温熱刺激による骨芽細胞分化誘導法の検討

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
19K12839
体系的課題番号
JP19K12839
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

代表者らはこれまで、培地温度を制御する独自のシステムを用い、神経分化モデル細胞に対し温度制御式反復温熱刺激(略称:TRTS)を負荷し、この刺激のみで神経細胞分化を誘導する方法を開発した。しかし、前骨芽細胞の骨芽細胞分化におけるTRTS の作用は全く不明である。そこで本研究計画では、上述の培地温度制御系を用い、前骨芽細胞株の骨芽細胞分化に与える影響やその機序の解析を実施し、これによりTRTS を活用した細胞環境温度制御による低侵襲かつ安全な骨芽細胞分化誘導法を開発し、またその分子機構を解明することを目指している。
代表者らは、TRTS のみで骨芽細胞分化誘導が可能か否かを検討するにあたり、まずTRTSの適切な負荷条件を明らかにするための実験を行った。具体的には、通常培養下の前骨芽細胞様細胞株MC3T3-E1 細胞にTRTS を負荷し、位相差顕微鏡による細胞数計測により細胞生存率を評価した。その結果、加熱プレート温度42°C以上でTRTSを負荷した場合、第2日目以降増殖が抑制され、特に45°CのTRTS負荷では第1日目にして大部分の細胞において細胞死が誘発された。これに対し、39.5°CのTRTSを負荷した場合、37°Cの培地で通常培養した陰性対照群と比較して、第1日目には増殖細胞が有意に増加し、第3日目にはおおよそコンフルエントに達した。このことからTRTS(39.5℃)が前骨芽細胞株の増殖機構に対し、促進的影響を与えることが示唆された。今後は、今回得られた結果をもとに、前骨芽細胞の骨芽細胞分化におけるTRTS の影響を評価するとともに、本年度研究にて代表者らが初めて確認した、TRTSによる前骨芽細胞様細胞の増殖促進誘導現象における分子的なメカニズムについても検討を実施する。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K12839
ID情報
  • 課題番号 : 19K12839
  • 体系的課題番号 : JP19K12839