共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

液状検体に対する分子バーコードを用いた超高感度システムによる膵癌早期診断法の開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
19K07707
体系的課題番号
JP19K07707
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

まず2019年6月~2020年8月に当院でEUS-FNAもしくは手術を施行した膵癌症例68例を対象とした(男性/女性:36/32例、平均年齢70.0±9.19歳、腫瘍径30.0±
11.7mm、stage1,2/3,4:39/29例。全例の血液サンプルおよび手術検体10例、FNA検体19例、また一部の症例で十二指腸液を採取しcfDNAの解析を行った。今回は分子バーコード
法を用いる前段階としてKRAS遺伝子変異を、G12A、G12C、G12D、G12R、G12S、G12V、G13Dに対する混合プローブを用いたデジタルPCRにより検出した。
血中cfDNA濃度は527.7±827.3ng/ml(中央値276ng/ml)であった。中央値で2群にわけ、臨床背景因子や血清マーカーを比較すると、高値群で白血球数のみが有意に高かった。また血中K-RAS変異は、7例(10.3%)において検出された。変異陽性例は全例stage4で、陰性例と比較して腫瘍径が有意に大きく、WBC、CRPが有意に高値であった。
血液検体ではK-RAS変異の陽性率がやや低かったが、手術検体では10例中7例、FNA検体では19例中16例でK-RAS変異が同定され既報と同程度であった。今後これらの検体の十二指腸液のcfDNA濃度およびK-RAS変異解析を進め、早期症例などでdetect可能であるか検討を行い、分子バーコード法を用いた解析についても進める予定である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K07707
ID情報
  • 課題番号 : 19K07707
  • 体系的課題番号 : JP19K07707