シンプルモデルを用いた福島第一原子力発電所近傍の河川から海洋への懸濁態及び溶存態$^{137}$Cs流出量の推定
Fukushima Dai-ichi and the Ocean; 10 years of study and insight
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- 開催年月日
- 2021年3月
- 記述言語
- 英語
- 会議種別
MERCURYは海水や堆積物から生態系への移行を理解するためや大雨時に即座に$^{137}$Cs流出量を推定するために、簡易に河川から海洋への$^{137}$Cs流出量を推定するために開発したモデルの一つである。タンクモデル、流量と懸濁態流出量の関係式、河川水中の$^{137}$Cs濃度に関する2成分指数モデルによって構成される。このモデルを用いて、福島第一原子力発電所近傍の5つの河川から海洋への$^{137}$Cs流出量を見積もったところ、2018年は0.23TBq、2019年は0.81TBqとなった。2019年10月の巨大な台風Hagibis及びBualoiの影響により、$^{137}$Cs流出量は2018年よりも2019年の方が大きかった。このモデルは土壌粒子の粒径と$^{137}$Cs濃度の関係をモデル化していないため、大雨時に$^{137}$Cs流出量を過小評価する可能性はあるものの、福島第一原子力発電所近傍の河川から沿岸域への$^{137}$Cs流出の影響を瞬時に評価することが可能である。