認知症患者に水分補給や電解質補正の目的で点滴が行われることがあるが、重度認知症患者では治療の必要性を理解できず自己抜針するおそれがある。そこで今回、小児科領域の先行研究で報告されている点滴固定カバー(1500mlのペットボトルを利用)を参考に、認知症患者用の点滴固定カバーを作製し、重度認知症患者2例に試用した。まず先行研究と同じ固定カバーを作製・試用し、問題点を明らかにしたうえで、認知症患者に応用できるよう改良を加えた。主な改良点は、ペットボトルを四角柱のものにしたこと、窓を設けたこと、固定バンドを付けたこと、布で覆ったことなどであった。この改良固定カバーを用いることで2例とも抑制帯を使用することなく安全に点滴治療が行えた。作製方法の詳細を紹介し、完成品を提示した。