2009年
脳血管障害患者と家族のケアニーズと看護介入にかかわる文献概観
島根県立大学短期大学部出雲キャンパス研究紀要
- 巻
- 3
- 号
- 開始ページ
- 1
- 終了ページ
- 12
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 島根県立大学短期大学部出雲キャンパス
本稿の目的は、脳血管障害患者と家族のケアニーズとそれらに対して実践されている看護介入とその効果について文献検索を行い、 この領域の研究を概観するとともに、脳血管障害患者と家族にかかわる臨床看護研究の方向性について検討することである。海外の文献はCINAHLを用い1991年~2007年の17年間で検索した結果、原著論文で脳血管障害患者と家族のケアニーズやそれらのケアニーズに関する具体的な看護介入について著わされている10編を絞り込んだ。国内の文献はWeb版医学中央雑誌を用い2001年~2007年の7年間で検索した結果、脳血管障害患者と家族のケアニーズやそれらのケアニーズに関する具体的な看護介入について著わされている原著論文7編を絞り込んだ。海外の文献からは、患者や家族に提供されている情報量の不足、患者や家族を意思決定者とみなす医療者の認識不足、求められている多様なニーズに応え切れていない医療や社会制度の現状などが課題として挙がっていた。国内の文献では、直接的に脳血管障害患者と家族のケアニーズについて明らかにした研究はごくわずかであり、急性期から回復期にかけての患者と家族の身体的および心理的な側面の理解を促進する研究成果が報告されていた。わが国における脳血管障害患者と家族のケアニーズやそれに応える看護介入については、研究成果の蓄積が待たれる状況であった。
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- ID情報
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- ISSN : 1882-4382
- CiNii Articles ID : 120005709678
- CiNii Books ID : AA12290923