共同研究・競争的資金等の研究課題

2005年4月 - 2010年3月

腫瘍選択的増殖型ウイルスを用いた消化器癌の遺伝子化学療法の有効性と安全性の検証

科学研究費補助金  

資金種別
競争的資金

進行した消化器癌(胃癌,肝癌,大腸癌,膵癌,胆道癌)は,既存治療では予後不良であり,我が国の癌死の大部分を占め,遺伝子治療などの革新的新規治療の開発が望まれる。従来の遺伝子治療ベクターは,非増殖型ウイルスが用いられたが,遺伝子導入が一部の癌細胞に限られるためin vivoでの有効性に限界があった。 近年,腫瘍選択的に増殖するウイルスの研究が注目されており,我々は,腫瘍選択的増殖型E1変異アデノウイルスに注目し,特に予後不良な胆道癌に対するその実験的有効性を報告してきた。さらに,このE1変異アデノウイルスに,抗癌剤5-FUを代謝活性化する酵素UPRTの遺伝子を搭載し,5-FUとの併用による「遺伝子化学療法」が癌細胞の抗癌剤耐性の克服に有効であることを明らかにしてきた。現在,臨床応用に向けて,E1変異アデノウイルスとそれを応用した遺伝子化学療法の安全性の検証を行っている。