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2019年11月

【がん研究10か年戦略の成果と課題-基礎から実用化までをつなぐ研究開発】応用研究〜非臨床研究 免疫療法 固形がんに対するIL-7/CCL19産生型CAR-T細胞療法の研究開発

医学のあゆみ
  • 安達 圭志
  • ,
  • 玉田 耕治

271
9
開始ページ
908
終了ページ
913
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
医歯薬出版(株)

キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞療法は、血液悪性腫瘍に対して著明な治療効果を発揮することで注目を集めている。一方で、現状では固形がんに対しては効果が乏しいとされており、CAR-T細胞療法における最大の課題のひとつとなっている。この課題を克服するため、著者らはIL-7とCCL19を同時に産生する能力を有するCAR-T細胞(7×19 CAR-T細胞)を開発した。複数の固形がんマウスモデルにおいて、7×19 CAR-T細胞は腫瘍内部にT細胞や樹状細胞の浸潤を誘導し、レシピエントのT細胞と協調して強力な抗がん効果を発揮することが確認された。また、7×19 CAR-T細胞の投与によってがんに対する長期的免疫記憶が形成され、がんの再発予防効果の可能性が示された。これらのことから、今回開発された次世代CAR-T細胞技術は、固形がんに対する画期的な治療法になることが期待される。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0039-2359
  • 医中誌Web ID : TB29030023

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