共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2024年3月

分子動力学計算と連続体計算を接続するマルチスケールシミュレーション

日本学術振興会  科研費・基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K03875
体系的課題番号
JP20K03875
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
4,160,000円
(直接経費)
3,200,000円
(間接経費)
960,000円

高分子流体など複雑な分子形態を内在する流体は、流体要素内部の分子形状が応力に寄与するために、その流動予測にはマクロスケールの流動とミクロスケールの分子運動を同時に扱う必要がある。しかしながらマクロスケールの複雑な流動を分子シミュレーションに反映するには、新しい分子シミュレーションのフレームワークを作る必要があった。昨年度、Murashima-Urata-Li (2019)の方法を改良し、複雑な流動を分子シミュレーションで扱えるように拡張した。今年度はその方法を用いてマルチスケールシミュレーションを実施する前の準備検討として、一定のひずみ勾配テンソル中での分子運動の解析を行った。渦流れを想定し、上三角成分と下三角成分の符号が異なるひずみ勾配テンソルを扱った。まず自明な問題として、反対称なひずみ勾配テンソルを課す状況について検討した。この場合はシステム全体が回転するだけで、分子は変形せず応力も平衡状態と同様に熱ゆらぎで振動することを観測した。次に上三角成分と下三角成分の大きさに差をつけたひずみ勾配テンソル下での流れを検討した。この場合では、システム全体は回転しながら分子がひずみを受けて伸長する挙動を観察した。分子の伸長軸の方向は時間経過とともに回転するため、マクロな応力値は回転とともに振動する。今後さらに長時間の計算やひずみ勾配テンソルの値を変えた計算を実施することで回転流動場中の定常状態について考察し論文にまとめる。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K03875
ID情報
  • 課題番号 : 20K03875
  • 体系的課題番号 : JP20K03875