2018年4月 - 2021年3月
心血管疾患における獲得免疫機序の解明と臨床応用
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
(1)UVB照射による動脈硬化・大動脈瘤抑制機序の検討 紫色の光の照射により細胞をラベリングできる動脈硬化モデルマウスを作製し、UVB照射により皮膚で誘導された制御性T細胞の挙動について調べた。UVB照射を行ったマウスの皮膚所属リンパ節および脾臓において、ラベリングされた皮膚由来の制御性T細胞は、細胞数としては少ないものの増加する傾向を認めた。
(2)UVB照射による心筋梗塞後の心不全抑制効果・機序の検討 冠動脈結紮によるマウス心筋梗塞モデルを作製し、UVB照射による急性心筋梗塞後の心不全抑制効果・機序についての検討を行った。UVB照射により心破裂による死亡は抑制されなかったが、心不全に関連する死亡が有意に抑制されることを見出した。UVB照射による病態改善の機序として、ケモカイン受容体CCR4を高発現する制御性T細胞の誘導の関与が示唆された。
(3)高血圧・大動脈瘤形成におけるCTLA-4分子の役割の検討 リンパ球特異的にCTLA-4を過剰発現させた易動脈硬化マウスを用いて、アンジオテンシンⅡ誘導性の高血圧・大動脈瘤モデルを作製し、検討を行った。CTLA-4の過剰発現により、腹部大動脈瘤の形成およびそれによる死亡は有意に抑制された。アンジオテンシンⅡの投与により血圧上昇を認めたが、CTLA-4の過剰発現は血圧に影響を与えなかった。CTLA-4分子はT細胞、樹状細胞およびマクロファージを介した炎症性免疫応答を制御することにより、大動脈瘤形成の抑制に関わることが明らかになった。
(2)UVB照射による心筋梗塞後の心不全抑制効果・機序の検討 冠動脈結紮によるマウス心筋梗塞モデルを作製し、UVB照射による急性心筋梗塞後の心不全抑制効果・機序についての検討を行った。UVB照射により心破裂による死亡は抑制されなかったが、心不全に関連する死亡が有意に抑制されることを見出した。UVB照射による病態改善の機序として、ケモカイン受容体CCR4を高発現する制御性T細胞の誘導の関与が示唆された。
(3)高血圧・大動脈瘤形成におけるCTLA-4分子の役割の検討 リンパ球特異的にCTLA-4を過剰発現させた易動脈硬化マウスを用いて、アンジオテンシンⅡ誘導性の高血圧・大動脈瘤モデルを作製し、検討を行った。CTLA-4の過剰発現により、腹部大動脈瘤の形成およびそれによる死亡は有意に抑制された。アンジオテンシンⅡの投与により血圧上昇を認めたが、CTLA-4の過剰発現は血圧に影響を与えなかった。CTLA-4分子はT細胞、樹状細胞およびマクロファージを介した炎症性免疫応答を制御することにより、大動脈瘤形成の抑制に関わることが明らかになった。
- ID情報
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- 課題番号 : 18K08088
- 体系的課題番号 : JP18K08088