2017年4月 - 2020年3月
倒壊にいたるまでの性能を考慮した鋼構造建築物の耐震設計法の確立
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
本研究は、鋼構造建築物の倒壊挙動を再現する振動台実験を実施し、部材破壊から応力再分配、振動特性の変化、変形の増大と集中を経て、倒壊にいたる過程を解明する。実験で観察した挙動を精度よく追跡できるコンピュータ解析技術を蓄積する。さらに、鋼構造建築物の耐震性能余裕度を定量化し、それを織り込んだ設計法を開発することを目的とする。
第2年度は、初年度に引きつづき、柱梁接合部の動的載荷実験を実施した。柱と梁で構成され、鉄筋コンクリート床スラブを付けたト形試験体を2体製作し、それぞれに現場溶接式と工場溶接式の接合部を採用した。接合部形式による性能の違いと、昨年度実験した試験体と合わせて、スラブが接合部性能に及ぼす影響を検証した。この実験データを基に、それぞれの接合部詳細の特徴を反映した数値モデルを構築し、接合部詳細の違いが鋼構造物の耐震性能の違いに及ぼす影響を解析によって検討した。また、動画撮影で得た画像をもとに、デジタル画像相関法による歪分布の測定を試みた。
破断による構造要素の耐力と剛性の劣化、それに伴う応力再分配を追跡できる数値解析を、ある程度まで実現した。部材実験に対して較正した数値モデルを、二次元骨組モデルに組み込み、過去に実施された大型振動台実験の応答を、ある程度の精度で再現することができた。
目指す詳細な動的応答解析を達成するためには、構造要素の弾塑性性状を精密にモデルするだけでなく、剛性と振動特性の変化に追従できる減衰モデルの開発が欠かせない。そこで、既存の減衰モデルに関して、広範な文献調査を実施し、また代表的な減衰モデルを簡易な構造モデルに適用して、減衰モデルが非線形応答に及ぼす影響を検証した。
第2年度は、初年度に引きつづき、柱梁接合部の動的載荷実験を実施した。柱と梁で構成され、鉄筋コンクリート床スラブを付けたト形試験体を2体製作し、それぞれに現場溶接式と工場溶接式の接合部を採用した。接合部形式による性能の違いと、昨年度実験した試験体と合わせて、スラブが接合部性能に及ぼす影響を検証した。この実験データを基に、それぞれの接合部詳細の特徴を反映した数値モデルを構築し、接合部詳細の違いが鋼構造物の耐震性能の違いに及ぼす影響を解析によって検討した。また、動画撮影で得た画像をもとに、デジタル画像相関法による歪分布の測定を試みた。
破断による構造要素の耐力と剛性の劣化、それに伴う応力再分配を追跡できる数値解析を、ある程度まで実現した。部材実験に対して較正した数値モデルを、二次元骨組モデルに組み込み、過去に実施された大型振動台実験の応答を、ある程度の精度で再現することができた。
目指す詳細な動的応答解析を達成するためには、構造要素の弾塑性性状を精密にモデルするだけでなく、剛性と振動特性の変化に追従できる減衰モデルの開発が欠かせない。そこで、既存の減衰モデルに関して、広範な文献調査を実施し、また代表的な減衰モデルを簡易な構造モデルに適用して、減衰モデルが非線形応答に及ぼす影響を検証した。
- ID情報
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- 課題番号 : 17H03336
- 体系的課題番号 : JP17H03336
この研究課題の成果一覧
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論文
3-
Journal of Constructional Steel Research 189 107066-107066 2022年2月 査読有り
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日本建築学会構造系論文集 85(778) 1555-1563 2020年12月 査読有り責任著者
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日本建築学会技術報告集 26(62) 153-158 2020年2月 査読有り