MISC

2017年3月

客観的に評価された歩数値とメタボリックシンドローム発症との関連 地域住民5年前向き研究(滋賀動脈硬化疫学研究SESSA)

日本循環器病予防学会誌
  • 久松 隆史
  • 三浦 克之
  • 渋川 武志
  • 藤吉 朗
  • 有馬 久富
  • 門田 文
  • 宮川 尚子
  • 鳥居 さゆ希
  • 近藤 慶子
  • 宮澤 伊都子
  • 鈴木 仙太朗
  • 佐藤 敦
  • 山添 正博
  • 柳田 昌彦
  • 前川 聡
  • 上島 弘嗣
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52
1
開始ページ
20
終了ページ
28
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(一社)日本循環器病予防学会

【背景】客観的に評価された身体活動量がメタボリックシンドローム(MetS)発症リスクと関連するかどうか検討した研究はほとんどない。【目的】日本人一般住民男性において、歩数計を用いて評価された歩数値とMetS新規発症との関連を縦断的に検討すること。【方法】滋賀県草津市住民から無作為抽出された40-79歳男性のうちMetSを有さない525名(平均年齢64.1±9.6歳)を対象とし、5年間の前向きコホート研究(基礎調査2006-8年)を実施した。歩数は基礎調査時に土・日曜日を含む7日間連続で歩数計を用いて測定し1日平均値を求めた。MetS発症の診断は日本基準を用いて評価した。ロジスティック回帰を用いてMetS新規発症に対する歩数値に関する多変量調整相対リスク(RR)および95%信頼区間(CI)を算出した。【結果】平均追跡期間4.8±1.3年を経て、MetS新規発症者は77名(14.7%)であった。Body mass indexを含む交絡因子を調整後も歩数値とMetS発症との間に負の関連を認めた。この関連はMetS各構成要素でさらに調整しても変わらなかった(最低三分位群[5,792歩未満]と比較して、最高三分位群[10,033歩以上]のMetS発症に対するRR(95%CI)は0.34[0.17-0.72])。また、MetS発症に対する1日平均1,000歩増加あたりのRR(95%CI)は、0.87(0.78-0.96)であった。65歳未満・以上、MetS各構成要素の有無で層別に解析したが同様の傾向を認めた(全異質性P値>0.3)。【結語】MetSの好発集団とされる一般中高年男性において、客観的に評価された歩数値はMetS発症と有意な負の関連を示した。また、1日平均歩数値1,000歩増加あたりMetS発症リスクが13%低下した。本成果は健康日本21(第二次)の歩数目標値や身体活動基準2013を支持する結果である。(著者抄録)

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ID情報
  • ISSN : 1346-6267
  • 医中誌Web ID : 2017256054

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