共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2024年3月

新規ペプチド“NURP”と“NSRP”のトランスレーショナルリサーチ

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
20H03153
体系的課題番号
JP20H03153
担当区分
研究分担者
配分額
(総額)
17,680,000円
(直接経費)
13,600,000円
(間接経費)
4,080,000円

新規ペプチドの生理機能が判明すれば、その生理機能不全の治療や、あるいは機能亢進への治療などの薬の開発が可能となる。もちろん動物治療薬のみならず人への応用や、産業動物での応用も考えられる。近年、NMUの受容体タイプⅡに親和性を有するアゴニストCPN129(仮称)が東京薬科大学の研究グループから報告されている。そこで、昨年の報告書に記した次年度研究計画に従い、2021年度は、このCPN129を利用しての応用研究を行った。主な結果は以下の通りである。
(1)エストロゲンのサイラスティックチューブを皮下に埋没することで、高エストロゲンのフィードバックによる高プロラクチン血症(hyperprolactinemia) をラットで作出できた。そこで、これにCPN129を中枢、あるいは末梢投与して、プロラクチンが抑制されるか否かを調べた結果、CPN129の中枢および末梢投与いずれもプロラクチンは完全に抑制された。(2)ラットの生理的高プロラクチン状態(発情前期、泌乳期、ストレス期、あるいは偽妊娠期)において、CPN129が抑制するか否かを調べた結果、CPN129はすべての条件下でプロラクチンの上昇を阻止した。(3)CPN129の作用が果たして、弓状核のドーパミンニューロンへの作用であるのか否かをcFos発現で検証した結果、弓状核のドーパミンニューロンの一部にcFosの発現が認められた。以上の結果、NMUのアゴニストCPN129は高プロラクチン血症の病態の改善に極めて有効と推測された。
ところで、上記結果が予想以上に早く進行したため、昨年の10月以降は「令和3年10月からの前倒し追加配分」により、NMUアゴニストの副作用を検討した。その結果、NMUアゴニストをラットの脳室内あるいは末梢に投与し、体温、行動、などの生理機能に対する副作用の有無を調べた結果、体温の上昇、行動量の増加が認められた。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20H03153
ID情報
  • 課題番号 : 20H03153
  • 体系的課題番号 : JP20H03153