共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

高齢者・子供世帯間を結ぶ遠隔会話・共食の行動メカニズムの解明とQOL向上の検証

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K02349
体系的課題番号
JP20K02349
配分額
(総額)
4,160,000円
(直接経費)
3,200,000円
(間接経費)
960,000円

離れて住む高齢者の親世帯とその子供世帯間が,互いの忙閑の様子をセンサ情報から共有し,得られた情報から会話開始のタイミングを調整し,共食に接続されるサービスの実現を目指して取り組んだ.
■プロトタイプの構築:スマートスピーカーに組み込んだエージェントとユーザ行動推定センサを組み合わせた遠隔映像共食システムのプロトタイプを構築した.複数センサ情報を組み合わせ,キッチンにおける在不在,調理活動の有無を推定するアルゴリズムを開発した.実験に必要な機能は具備していると考える.
■遠隔共食開始を支援する手順の検証:構築したプロトタイプシステムを用いて学生友人間の共食開始の手順を実験観察評価した.忙閑の状況と調理状況を遠隔地の友人に発話エージェントが通知し,共食を誘う手順のシステムにより,遠隔共食が実現できることが確かめられた.ただし日常的に共食を繰り返すかについてはポジティブな回答は少なく,若者友人間のサービス提供のニーズは大きくないと考えられた.また,システムを離れて暮らす女性の高齢者と娘宅に導入し,利用試験を実施した.特に祖母ー孫娘間において遠隔共食を実現できることが確かめられた.高齢者からポジティブな評価をもらえた.一人暮らしの高齢者の調理行動は高齢者自身の行動であり,エージェントから提示される情報が正確に相手に伝わるが,娘家族の行動は家族の内の誰の行動かがわかりにくいため,高齢者から共食を誘いにくいことが明らかになった.複数のセンサ情報の組み合わせによりユーザを区別しより精度の高い行動推定を行ることが必要であり,次年度に実施予定である.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K02349
ID情報
  • 課題番号 : 20K02349
  • 体系的課題番号 : JP20K02349